【日産フィガロ】アメリカで大人気 在庫200台/400万円超えも 理由は可愛さ 日本専門店「輸出せぬ方針」も
公開 : 2020.08.22 05:50 更新 : 2022.03.25 18:51
アメリカで日産のパイクカー「フィガロ」が人気です。200台近い在庫をもつ専門店があり、高い個体で400万円超えのものも。特にフィガロが人気なのは「可愛さ」。いっぽうで日本の専門店は国内販売に力をいれます。
パイクカー フィガロがダントツ人気
日産パイクカーとは、1987年に発売されたBe-1、89年のパオ/エスカルゴ、91年のフィガロの4車種のことである。
中でも近年、国内外で価格も人気も高騰しているのが生産2万台のフィガロだ。
フィガロは新車で発売されて間もない頃から欧州、とくにイギリスに多くのフィガロが渡り、日産の資料によると2万台のうち3000台が現在もイギリスにあるとされている。
ヨーロッパにインスパイアされたスタイリング、レザーシート、インダッシュのCDプレイヤーを特徴としており、パステルカラーのボディも斬新だった。
デザインや企画チームの多くに女性スタッフが入ったことも当時としてはかなり珍しい事だった。
そして昨今のフィガロ人気は欧州ではなく、アメリカで巻き起こっている。
本来、アメリカでは一般人が右ハンドル車を登録することはできないが、製造から25年経てばそれが解禁となる。
それで2016年からアメリカへの輸入、一般ユーザーへの販売及び登録が可能になり人気に火が付いたというわけだ。
取材を進めるうちに、フィガロに関して全米最大の在庫台数を誇る会社を見つけた。
ヴァージニア州にある「ダンカン・インポート(Duncan Imports & Classic Cars)」という会社で、フィガロだけでなんと輸送中のものも含めると200台近くを確保しているという。
いっぽう、日本の大手中古車サイトで調べてみたがフィガロは日本全体で27台しかヒットしなかった。
フィガロ200台揃える米の店に聞いた
約200台のフィガロを揃えるダンカンインポートではホンダ・ビート、オートザムAZ-1、トヨタ80スープラ、R32スカイラインなどJDMだけで常時数百台の在庫を確保しており、月に2店舗合計で80台を販売している。
軽トラックも1987年~2020年モデルまで多数扱っており、25年ルールの適用を受けない軽トラは以前AUTOCAR JAPANで書いたように、限定された道路でのみ走行できる「オフロード」専用車として登録、販売されている。
フィガロの価格を調べてみると、5970ドル(約63万円)から3万9999ドル(約424万円)まで幅広い。
経営者であるゲイリー・ダンカン氏に電話取材を試みた。
――JDM(80-90年代の右ハンドル日本車)の魅力は?
「ユニークでレア。とくにJDMは日本車らしさが際立っており、他にはない個性を持っています」
――フィガロが特に近年アメリカで人気となっている理由はどんなことでしょうか?
「日本車としての信頼性が第一ですが、加えてとてもキュートなルックスも多くの人をひきつけています」
「『笑っているような顔がいい』と皆さん言いますね。年代の区別はとくになく白人女性が圧倒的に多いです」
「また、最近では投資対象としても注目を集めています」
「フィガロは他の日産パイクカー同様、限定台数で生産されているので価格が下がることがまずありません」
「これからもどんどん値段は高くなっていくでしょう。仕入れは日本からはもちろん、アメリカ国内でも買っていますよ」