【shaken(車検)やtouge(峠)】日本の「クルマ用語」なぜ海外でそのまま使われる? 三菱車、例外も

公開 : 2020.08.23 05:50  更新 : 2022.03.25 18:51

まだまだある 海外でそのまま日本用語

それでは以下、日本語がそのまま使われている例を紹介しておこう。

Shaken(車検):日本独自の車検制度は世界的にもレア。JCI(Japanese Car Inspection)と呼ばれることも。

Chokudori(直ドリ)と書かれたマグカップが販売されることも。
Chokudori(直ドリ)と書かれたマグカップが販売されることも。

Chokudori(直ドリ):「直線ドリフト」の略。コーナーのかなり手前からスピードを落とさずドリフトをかけて進入する高度なテクニック。

Drift(ドリフト):英語では「Drifting」だがマニアはあえて「drift」(発音も日本語っぽくdorifuto)と呼んでいる。

Tsuiso(追走):2台以上が連なってドリフト走行すること。

Touge(峠):「イニシャルD」やドリフト人気の拡大と共に普及。欧米人の発音は「トゥージェ」

Bosozoku(暴走族)/VIP(VIPスタイルのカスタム):アメリカではカスタムスタイルの1カテゴリーとして認知されている。

Mugen(無限):英語圏での発音は「ミュージェン」だが、無限仕様のシビックなどが異常な高人気の東南アジアエリアなどでは、そのまま「ムゲン」と発音される。

Kei-car(軽自動車)/Kei-tra(軽トラック):英語に対応する言葉もないのでそのまま「Kei」

Kanjo(環状族):阪神高速環状線をホームとしている走り屋。

Daikoku(大黒):日本のクルマ文化の発信地ともいえる大黒PAは世界のクルマ好きの間でも認知されている。

Shoshinsha(初心者):どこから見ても目立つ「初心者マーク」(若葉マーク)を付ける制度は日本独特。

Wakaba(若葉):若葉マークのステッカー。一時期北米で大流行した。

Hashiriya(走り屋):英語では「street racer」

三菱車だけzenki/koukiと呼ばれぬ理由

こうしてみると、「無限」や「大黒」などの固有名詞はさておき、海外でそのまま使われる日本のクルマ用語はやはり、日本独特の「英語にできない言葉」がほとんどである。

「tsuiso」「choku-dori」などの言葉は、日本で生まれた「ドリフト」の世界ではおなじみの言葉であるし、同様に日本独自の車両規格である「軽自動車」に関わる言葉には「kei」がそのまま使われている。

しかし、日本車であっても例外的に英語っぽい言い方をするクルマもある。

日本人向けに北米の自動車パーツをウェブサイトで販売しているメキシコ在住の松村浩司さんが教えてくれた話によると、

「zenki(前期)、kouki(後期)という呼び方はメーカーやファン&オーナーによるコミュニティによって異なっています」

「例えばホンダマツダ、ニッサンなどJDM色が強い車種については、Zenki/kokiが一般的ですが、北米の三菱車は型の説明をする際、Early(前期), Late(後期)と英語で呼ばれるのが普通です」

「北米の三菱車はエクリプス(初代/2代目)を筆頭に「Made in USA」(イリノイ州にかつて存在した『Diamond Star Motors』)」

「80年中頃から90年中頃まで北米で三菱とクライスラーが共同経営していた企業)のクルマが多く、JDMスタイルではなくUSDM(アメリカ独自仕様)として発展したためだと思います」

なるほど。日本車であっても北米で製造されて北米で発展してきたクルマにはアメリカの用語が使われるということのようだ。

日本語がそのまま海外で使われるのは、日本で使用されてきた中古車が世界市場で高い評価を得て、普及していることの証拠ともいえるだろう。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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