【オークションで4.5億円】フェラーリ550 GT1、高額落札 そのワケはヒストリーにあり FIA GT参戦マシン

公開 : 2020.08.24 06:50  更新 : 2021.10.11 09:34

モントレー2020 ウェブ競売の最高落札額に

これまで数多くのオークションを見てきたが、フェラーリ550 GT1プロドライブは筆者の記憶では出品されたことはなく今回が初登場となる。

S/N:CRD 02/2001は実戦から引退後は開発用として保管されていたが、その後フルレストレーションが行われた。

フェラーリ550 GT1プロドライブは、見事にオンラインのコレクターズカー・オークションの落札最高額を更新した
フェラーリ550 GT1プロドライブは、見事にオンラインのコレクターズカー・オークションの落札最高額を更新した    Remi Dergegen/RM Sotheby’s

レストレーションが開始される時点で搭載されていたエンジンが、2004年のスパで優勝した時のものだったことから、スパ参戦時の姿で復元されることになったという。

オークションでは事前の告知の段階から主役扱いだった。

ちなみに、予想落札額は385~485万ドル(約4億1195万円~5億1895万円)。

オンライン・オークションの常で出だしは低調だったが、締め切り2日前で270万ドル、1日前で320万ドルと順調に上昇。終了直前に競り合って、最終的に429万ドル(4億5903万円)で落札された。

なお、エンジンは現在プロドライブがフルリビルト中で、完成後にベンチでチェックした後、9月末に搭載する予定と発表されている。

完成した550 GT1は、ルマン・クラシックやモンツァ・クラシックなどのヒストリック耐久シリーズ、コンクール・デレガンスに即参加できる完璧なコンディションで納車されるという。

近代のコンペティション・フェラーリで外部のチームが製作して成功を収めた550 GT1は、フェラーリ社も認める存在となり、クラシケのコンペティション認定書が付帯する。あわせて、FIAとACO(ル・マン24時間の主催者)のテクニカル・パスポートも備わる。

走りを突きつめるコレクターにとって、パフォーマンス、ヒストリー、そしてコンディションも完璧なコンペティション・フェラーリだけに、4億5903万円という落札額は決して高くないはずだ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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