【1点を除いてライバルより上】純EV版 プジョーe-2008へ試乗 航続距離331km

公開 : 2020.08.31 10:20

乗り心地も良く、インテリアも上質

一方でe-2008はしなやかさを残しつつ、姿勢制御も悪くない。凹凸のある路面でも滑らかに衝撃を吸収するが、安定性も高い。

電気モーターの最高出力は、135ps。EVらしく26.4kg-mという最大トルクを、発進時から生み出す。その加速感は、直線的で伸びが良い。高速道路の速度域まで、滑らかに速度を高めていく。

プジョーe-2008(英国仕様)
プジョーe-2008(英国仕様)

スポーツ・モードを選び、アクセルペダルを踏み込めば、満足感あるダッシュ力を引き出せる。そのぶん、航続距離は短くなるが。

EVを理解するドライバーなら、電気モーターのささやかなハミングだけが響く、静かな車内の魅力を知っているはず。さらにe-2008の場合、風切り音やロードノイズも小さい。この点も強みだ。

今回試乗したe-2008は、GTラインと呼ばれる上から2つ目のトリムグレード。英国での価格は3万2915ポンド(447万円)となっている。

インテリアは高級感があり、10インチのタッチモニターに、3Dに見えるモニター式のメーターパネルを装備。フロントシートはヒーターが内蔵され、前後ともにパーキングセンサーが備わる。装備は充実といえるだろう。

インフォテインメント・システムの操作性は、今ひとつ直感性に欠ける。これは最近のプジョーで共通する部分だ。特にエアコンの操作画面へタッチモニターでたどり着く手順は、もっと簡単でいいと思う。

足を引っ張るのは、331kmの航続距離

プジョーe-2008のインテリアに用いられる素材や仕上げ品質は、キアやヒュンダイと比べものにならないほど高い。ワンランク上といって良いだろう。

コンパクトSUVで純EVを探しているのなら、プジョーe-2008は、有力な選択肢となるはず。ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを搭載した2008と似た雰囲気は、純EVへ初めての一歩を踏み出すドライバーにとって、敷居を低くしてくれるに違いない。

プジョーe-2008(英国仕様)
プジョーe-2008(英国仕様)

運転も楽しく、インテリアの質感も高い。加えて英国でのスターティング・プライスは、ライバルより安い。

純EVのコンパクトSUV、プジョーe-2008の唯一足を引っ張るのは、短めの航続距離くらいだといえそうだ。

プジョーe-2008(英国仕様)のスペック

価格:3万2915ポンド(447万円)
全長:4300mm
全幅:1770mm
全高:1550mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:8.5秒
航続距離:331km
CO2排出量:0g/km
乾燥重量:1548kg
パワートレイン:シングル同期電気モーター
バッテリー:50kWリチウムイオン
最高出力:135ps
最大トルク:26.4kg-m
ギアボックス:1速オートマティック

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