BMW 420d SE
公開 : 2013.10.29 23:00 更新 : 2017.05.29 18:00
■どんなクルマ?
今回われわれがテストしたエントリー・モデルの4シリーズであるBMW 420dは、英国では最も大きなセールスを占めるモデルでもある。その理由は簡単だ。124g/kmのCO2排出量を持ち、燃費は21.3km/ℓ、そして4シリーズとしては2番めに安いモデルだからだ。
すべての4シリーズと同様、420dもそのベースはF30 3シリーズと同一だ。しかし、3シリーズよりも僅かに長く、僅かに幅広く、そして僅かに低い。そして、それはコンベンショナルなBMWの中でも最も低い重心を持つことを表している。
エンジンは320dと同じ181bhp/4000rpmを発揮する2ℓのターボ・ディーゼルが搭載される。ピーク・トルクは38.7kg-mを1750-2750rpmの間で発生する。パフォーマンスは、0-100km/hが7.5秒、トップスピードが240km/hとアナウンスされている。
8速オートマティック・ギアボックスと4WDであるxDriveはオプションで、今回のテスト車両は通常の6速マニュアルを備えたRWDモデルだ。
また、トリムは5つあるうちのベーシックなSEだった。標準で、本革のカバー、17インチ・アロイホイール、デュアル・ゾーン・エアコン、USB連結などを備えたモデルだ。
■どんな感じ?
2.0ℓの4気筒ディーゼルは驚くほどのフレキシビリティを持ち、0-100km/h加速7.5秒という公式アナウンスよりも力強く感じるもの。特に、ミッドレンジでの力強さは特筆すべきだ。ただし、6気筒に比べてしまうと、トップ・エンドの伸びはいまひとつだ。
非常に洗練されたエンジンであり、アイドリング時のカタカタというサウンド以外は問題がまったくない。
ギアボックスは、BMWに搭載される中では良いとは言えない。というのも、クラッチ・ペダル・ストロークが長く、シフトチェンジの際に最初に抵抗感を感じるものだからだ。
その他の出来は、他の4シリーズと同一。スポーティなドライビングを味わえるバランスの良いシャシーを持つ。ボディ・コントロールも適切だ。
今回試乗したSEトリムは、より小さなホイールと、素直でしなやかなサスペンションを持つ。非常に乗り心地は快適で、洗練されたものであった。但し、激しいコーナリングをするようなドライバーにはすこしばかり役不足で、その際は£750(12万円)高のオプションとはなるが、Mスポーツ・サスペンションが必要となろう。
■「買い」か?
4シリーズは、非常にリラックスしたフィーリングをドライバーに与えてくれるクルマだ。その点からすれば、オートマティック・トランスミッションを選択すべきモデルなのかもしれない。われわれの大好きな3シリーズ・ベースのモデルなのだから、出来がいいのも充分に納得できるもの。しかも420dであれば、実質的な燃費は18km/ℓ台を望めるのだ。
(スチュアート・ミルン)
BMW 420d SE
価格 | £31,575(495万円) |
最高速度 | 240km/h |
0-100km/h加速 | 7.5秒 |
燃費 | 21.3km/ℓ |
CO2排出量 | 124g/km |
乾燥重量 | 1525kg |
エンジン | 直列4気筒1998ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 181bhp/4000rpm |
最大トルク | 38.7kg-m/1750rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |