【人気のSUVにPHEVが追加】BMW X3 xドライブ30e 純EVのiX3に続く電動化版
公開 : 2020.09.01 10:20
優れたBMW製のSUV、X3にプラグイン・ハイブリッドが登場。車重は1990kgへと増えたものの、優れた経済性と環境負荷がさらに魅力を高めていると、英国編集部は評価します。欧州仕様車を一般道で評価しました。
もくじ
ーX3として4番目のパワートレイン
ー0-100km/h加速は6.1秒、最高速度は210km/h
ー増えた車重が影響する動的性能
ーSUVとして素晴らしいオールラウンダー
ーBMW X3 xドライブ30e(欧州仕様)のスペック
X3として4番目のパワートレイン
第3世代のBMW X3に、新たに現代的なラインナップが加わった。ガソリンとディーゼル、純EVのiX3に続き、ガソリンと電気で走るPHEV、xドライブ30eが登場した。
X3は、パワートレインの構成を4種類から選べるようになった。1つのボディでそれを可能としているのが、汎用性に優れるCLARプラットフォーム。当初から4種類のパワートレインを想定して、開発されている。
PHEV版の登場で、メルセデス・ベンツGLCやアウディQ5と、動力源では同じ条件になったといえる。アウディはEトロンとして、メルセデス・ベンツンはEQCとして、純V版はラインナップしてはいるが。
新しいX3 xドライブ30eがベースとするのは、ガソリンエンジン版のX3 xドライブ20i。バッテリーとモーターを追加し、EVモードで51kmの距離を走行可能としている。
WLTP値での燃費は、47.6km/Lへと向上。CO2の排出量は、49g/kmに留まる。英国では税制面でも有利だ。
フロントに搭載されるターボ付きの2.0L4気筒エンジンは、X3 xドライブ20iと同じ183ps。トルクは0.9kg-mほど増やされ、30.4kg-mを獲得している。
そこへ、8速ATの手前側に追加された、108psと26.9kg-mの電気モーターがアシスト。システム総合での最高出力は292ps、最大トルクは42.7kg-mを得ている。駆動方式はxドライブと付くとおり、四輪駆動だ。
0-100km/h加速は6.1秒、最高速度は210km/h
ドイツ製のライバルと比較してみると、アウディQ5 55 TFSIeは367psと37.6kg-mで、最高出力はかなり勝るが、最大トルクでは及ばない。メルセデス・ベンツGLC 300eは320psと71.2kg-mもある。
競合と比較すると額面は小さいものの、BMWによれば0-100km/h加速に要する時間は6.1秒、最高速度は210km/hと充分。EVモードの場合でも、135km/hまで出せる。車重は増えて、1990kgとなる。
電気モーターのエネルギー源となるのは、電圧354Vで稼働する12.0kWhのリチウムイオン・バッテリー。搭載位置はリアシートの下で、燃料タンクは荷室の床下へ移設されている。燃料タンクの都合で荷室は450Lと、ガソリンエンジン版X3より50Lほど小さい。
充電ポートは、左側のフロントフェンダーにある。電圧230Vの充電器を用いれば、2時間36分で満充電できるという。
X3に乗り込んでみよう。着座位置は高く、優れた視界が得られる。快適性も高い。
メーターパネルはモニター式となり、インフォテインメント・システム用モニターとオプションのヘッドアップ・ディスプレイが、モダンな雰囲気を生み出している。インテリアの知覚品質もかなり高い。
電気モーターの力だけで走行可能だから、X3 xドライブ30eの発進は滑らか。音もほとんど聞こえてこない。
コンフォート・モードでもレスポンスは素晴らしく、磨き込まれている。バッテリーの充電量が許す限り、市街地など低速で柔らかくアクセルペダルを踏んでいれば、基本的にEVモードで走る。