【知ってた?】売れ続けるトヨタ・シエンタ、じつは1年間販売終了していた 背景に「誤算」 復活したワケ

公開 : 2020.08.30 05:50  更新 : 2021.10.13 12:20

なぜパッソセッテ、販売不振に陥った

パッソセッテが販売不振に陥った要因はいくつか考えられるが、最も大きく影響したのが、パッソセッテリリース直後にスタートした「エコカー減税」だろう。

これは、環境対応車(エコカー)を購入するときに自動車重量税・自動車取得税が減税、または免税となる措置。車種によっては最終的な支払額で数万円~数十万円ほどかわってくる。

エコカー減税(自動車重量税・自動車取得税)の概要。適用期間中に新車新規登録等を行った場合に限り、特例措置が適用(1回限り)
エコカー減税(自動車重量税・自動車取得税)の概要。適用期間中に新車新規登録等を行った場合に限り、特例措置が適用(1回限り)    国土交通省

自動車は決して安い買い物ではないため、この差額はバカにできないものと言える。

しかし、パッソセッテはなんとこのエコカー減税の対象車種とならなかった。

せっかくスライドドアなどを廃して戦略的な低価格戦法に打って出たにもかかわらず、減税対象のライバル車と支払総額では大差ない形になってしまったのだ。

支払い総額に大差ないのであれば、装備が充実しているライバル車にユーザーが流れるのは当然のことで、パッソセッテの販売は低迷を極める。

そこで昨年夏に生産を終了していたシエンタをマイナーチェンジして2011年6月から再び販売することになったのである。

このマイナーチェンジでシエンタはしっかりエコカー減税対象車種となり、2015年の2代目登場まで12年も続いたロングセラーモデルとなった。

一方のパッソセッテはわずか3年2か月で販売を終了してしまった。しかし、パッソセッテの存在がなければ現在のシエンタの快進撃もなかったわけで、メーカーとして胸中複雑に違いない。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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