【経営再建を目指して】スパイカー買収 ロシアの実業家2人 新モデル投入計画
公開 : 2020.08.30 22:03
波乱の人生を送ってきた自動車メーカー、スパイカーはロシアの実業家から投資を受け、経営再建に向けて複数のモデル投入を計画しています。初となる海外店舗の展開や、モーターレースへの再参入も目指しています。
破産からの復活なるか
オランダのスポーツカーメーカー、スパイカーは、長い苦難の末に投資家により買収された。今後はスーパーカーとSUVを展開してラインナップを拡大する計画を示している。
ロシアの実業家でSMPレーシングのオーナーであるボリス・ローテンベルクと、彼のビジネスパートナーであるミハイル・ペシスは、モータースポーツ会社のBRエンジニアリングやデザイン・マーケティング会社のミラン・モラディなど、彼らが所有する他の企業とのコラボレーションにスパイカーを引き入れた。
2人はこれまでに生産された265台のスパイカー車の一部を所有していた。
今回の投資により、スパイカーはすでに発表されているスーパーカー「C8プレリエーター」、SUV「D8ペキン・トゥ・パリ」、スーパーカー「B6ヴェネター」を2021年に生産することができるようになる。
スパイカーは1999年の創業以来、激動の20年間を過ごしてきた。2010年にサーブをゼネラル・モーターズから買収した際には、長年の財政難がさらに深刻化し、同社はすぐに破綻して破産を余儀なくされた。
スパイカーは2015年に再建されたものの、苦境が続いている。
スパイカーは次のように述べている。
「2011年にサーブ・オートモービルズAB社が破綻して以来、スパイカーが非常に厳しい年月を過ごしてきたことは疑いようがありません」
「今回の新たなパートナーシップにより、そのような時代は間違いなく終わり、スパイカーはスーパースポーツカー市場セグメントにおいて重要なプレーヤーとなるでしょう」
販売網拡大とレース参入
スパイカーが最初に生産を開始するのは、「C8プレリエーター・スパイダー」だ。2017年のジュネーブ・モーターショーで初公開された、アストン マーティンに対応するスーパーカーである。ケーニグセグが開発した自然吸気5.0L V8エンジンを搭載すると予想されている。
ジュネーブに公開されたショーカーは、0-97km/h加速を3.7秒で達成し、最高速度は323km/hに達するとされたが、この性能が市販モデルでも引き継がれるどうかは明らかになっていない。
SUVの「D8ペキン・トゥ・パリ」は、11年前のジュネーブ・モーターショーでスパイカーが公開したコンセプトカー「D12」がルーツとなっている。2013年には「B6ヴェネター」が公開された。
新モデルに加え、スパイカーは2021年にモナコに初の海外店舗をオープンする。今後、さらに多くの店舗がオープンする予定だ。
また、スパイカーは国際的なモーターレースへの再参入を目指しているという。かつてのスパイカーF1チームは2006年に設立されたが、売却されてフォース・インディアに改名されるまでのわずか1シーズンしか戦っていない。