【あばたもえくぼ】愛すべき欠陥車 問題を抱えたクラシックカー21選
公開 : 2020.09.06 05:50 更新 : 2021.03.05 21:42
10. トライアンフ・スタッグ
メルセデス・ベンツSLに対抗する英国製のスリムな4シーターは、自社設計の軽量V8エンジンを搭載し、巧みなタルガスタイルのルーフを備えていた。
アメリカでは大ヒットするはずだったが、開発が不十分で、シリンダーヘッドに深刻な問題があった。
販売台数は大幅に落ち込み、オーナーはエンジンをローバー製のV8に乗せ換えるか、クルマを手放すことになり、今では生き残った良い個体が魅力的な存在となっている。
11. トライアンフTR5 / TR6
誰もが乗れる究極のスポーツカーであるトライアンフTR5は、独立したシャシーと堅牢な直列6気筒エンジンを備えている。しかし、ほとんどのTR5と初期のTR6には、ルーカス製の機械式燃料噴射装置に欠陥があった。
これは、ガソリンタンクの残量が約4分の1になると、空気を含んだ燃料がタンクに戻されるため、エンジンが正常に作動しなくなり、その貧弱な燃焼特性がトラブルの原因となった。
多くのオーナーは、旧式のキャブレターに変更せざるを得なかった。
12. トライアンフ・ドロマイト・スプリント
1973年、トライアンフの重役たちはドロマイト・スプリントの開発に熱を上げた。
2L、シングルカム、16バルブのシリンダーヘッドを搭載したスプリントは、デザイン・カウンシル賞を受賞。それまでのドロマイトを、高価なBMW 2002tiiと同等の速さを持つクルマに仕上げた。
悲しいことに、スプリントにはヘッドガスケットを吹き飛ばす癖があり、ディーラーが公式のクーラント交換時期を守らなかったことが原因で多くのトラブルが発生した。
スプリントの広報車は、自動車ライターであるスー・ベイカーをジュネーブ・モーターショーの帰りに載せた際、エンジンが爆発してしまった。
ドロマイト・スプリントの販売も結局は同じようになった。
13. ジャガーXJ-S
1975年に登場したジャガーXJ-Sは、不良のフリをした優等生であった。オリジナルのV12モデルでは、ラーダのような作りでありながら最上級のツアラーだった。
しかし、V12の最奥のスパークプラグにたどり着くまでには何時間もかかり、サスペンションはたるみ、ブーツリッドやバットレスは錆び、内部は水が溜まり湿った状態になっていた。
1980年には販売台数が激減し、ほぼ壊滅的な打撃を受けたものの、6気筒エンジンの登場、品質の向上、巧みなマーケティングによって、このクルマはさらに16年間繁栄を続けた。