【ローライダー・クイーン】ピンク色のシボレー・インパラ 東LAのアイコン 後編

公開 : 2020.09.13 16:50  更新 : 2020.12.08 08:36

東ロサンゼルス地区のアイコン

この葬儀が、インパラへの感心を再燃させた。バラデスの息子はインペリアルズ・カークラブへ加入。ジプシー・ローズは復活し、ピーターセン自動車博物館や日本のイベントでの展示を通じ、再び多くの人の視線を浴びることになった。

さらに2017年、ジプシー・ローズはワシントンの国立公園、ナショナル・モールへの展示が決まる。ローラーイダーとしては初めて、ナショナル・ヒストリック・ビークルの指定を受け、米国議会図書館の永久所蔵品に選ばれた。

シボレー・インパラ(1965年)「ジプシー・ローズ」
シボレー・インパラ(1965年)「ジプシー・ローズ」

ところが2019年、バラデスの息子もガンを患い、わずか45歳でこの世を去る。ジプシー・ローズが3度目の展示会のために、ピーターセン自動車博物館で飾られた直後だった。

父と同様、息子もジプシー・ローズが描かれた棺に納められ、ウィッター・ブールバードから旅立った。ローライダー界だけでなく、ヒスパニック系のコミュニティを象徴する人物の1人を失った悲しみを、多くの人が悼んだ。

シボレー・インパラをベースとしたジプシー・ローズは、見事なボディペイントで大きな注目を集めた。だが、その重要性を確立したのは、オーナーの生き様にある。

3代目ジプシー・ローズは、ただのローライダーではない。バラデスのギャングに対するスタンスと、慈善活動への取り組みが、インパラをカスタムカー以上の意味を持つクルマへと昇華させたのだ。

東ロサンゼルス地区のアイコンとして。カーカルチャーの誇り高いシンボルとして。

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