【世界初公開】ロールス・ロイス新型ゴースト スペック/内装/サイズを解説 日本導入は?
公開 : 2020.09.01 21:02 更新 : 2021.10.11 09:34
新型ゴースト シャシー
新型ゴーストをメカニズム的に見ると革新的に進化した部分がアルミ・スペース・フレームを新たに採用したことだ。
すでにファントムやカリナンで採用され、軽量化と高剛性(40,000nm/deg)、そして複雑な形状にすることで共振を抑え、高い静粛性を実現している。
専用のアルミ・スペース・フレームは、ロールス・ロイスのサルーンとしては初となる全輪駆動と後輪操舵システムを当初より織り込んで開発されたことに注目したい。
フロントにダブルウイッシュボーン、リアは5リンク式で、高圧のエアサスペンションによるセルフレベリングが備わる。ロールス・ロイスの特徴である「魔法の絨毯」のような乗り心地は、新開発の「プラナー・システム」により一層洗練されて引き継がれた。
「プラナー」は“完全に平ら”であることを意味し、フラットな乗り心地に保つシステムとして3つの新機構で構成。1つめはサスペンション上部に備わり安定性を高める「アッパー・ウィッシュボーン・ダンパーユニット」で、3年の歳月をかけて開発された初の機構となる。
2つ目はカメラで前方の路面状況を認識してサスペンションを最適化する「フラッグ・ベアラー・システム」。そして最後は、GPSデータを利用して先のコーナーなどを予測し最適な変速を行なう「サテライト・エイデッド・トランスミッション(SAT)」。これらが連携して車体を常にフラットに保ち、乗り心地を大幅に向上させた。
新型ゴースト パワートレイン
新型ゴーストには、顧客からの声に応えてトルクと静粛性を高めた最新のV型12気筒6.75Lツインターボ・ガソリン・エンジンが搭載される。
排気量は6.6Lから6.75Lに拡大され、最高出力は1psアップした571psを250rpm低い5000rpmで発揮する。
一方で最大トルクは、先代の79.5kg-m/1500rpmから86.7kg-m/1600rpmへと大幅に向上。アイドリングよりわずか600rpm高いだけの1600rpmで最大トルクを発揮する。
またエンジンはフロント・アクスル後方に搭載され、50:50の優れた前後重量配分を実現している。
現時点の資料にトランスミッションの記述はないが、このオートマティック・トランスミッションでは、先に記した「プラナー・システム」と連携して常に最適な変速を行ってくれることになる。
新型ゴースト 装備
プレミアム・ラグジャリー・クラスといえど、今や運転支援装備は欠かせない。
新型ゴーストでは前走車や道路の車線を検知し自動で加減速を行う「アクティブ・クルーズ・コントロール」、夜間の運転中に人や大型動物を検知し警告を発する「ナイトビジョン」に加え、「衝突警告」「クロス・トラフィック・アラート」「車線逸脱警告」「車線変更警告」が安全を支える。
また、業界随一となる7×3インチ高解像度ヘッドアップ・ディスプレイ、Wi-Fiホットスポット、セルフパーク、パノラミックビュー/全方位視界/ヘリコプタービュー機能を併せ持つ4カメラ・システム、最新のナビゲーションおよびエンターテインメント・システムが備わる。
機能部分ではヘッドライトに照射距離600mを誇るレーザー式が採用され、夜間の優れた視認性を確保し高い安全性を担保。
このほか新型ゴーストには高品質のサウンドを提供するビスポーク・オーディオが用意される。開発段階からボディ構造を突き詰め、シル部分に共鳴チャンバーが組み込まれ、車体を巨大なサブウーファーとして機能させる。出力1300Wのアンプは18個のスピーカーを駆動し、究極のサウンドを提供する。
キャビンの快適性を高める微細環境浄化システム(MEPS)にも注目したい。不純物を感知すると、キャビン内の空気はナノ羊毛フィルターにより2分以内で粒子のほとんど除去するという。外気が汚染され除去不可能な場合は、自動的に内気循環モードに切り替わる。