【身近に本物のMを味わう】BMW M3(E36型) 直6初採用の2代目 英国版中古車ガイド
公開 : 2020.09.07 10:20 更新 : 2021.07.12 18:45
知っておくべきこと
市場には比較的魅力的な価格で、北米市場向けのM3が出ている。ただし、北米向けのクルマは、欧州仕様よりも性能で劣ることに注意したい。
フェイスリフト前の3.0Lでは、欧州仕様より最高出力で50psほど低い。1996年に3.2Lエンジンへスイッチし最大トルクは増加しているが、最高出力は243psのまま。つまり、77psも低いことになる。また北米仕様では、6速MTが選べない。
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
バノスと呼ばれる可変バルブタイミングに注意。大きなノイズや不安定なアイドリング、低回転域でのパワー不足は、故障のサイン。
エグゾーストはクラックが入りやすく、修理は安くない。ウオーターポンプのベアリングが不調となることがあるが、ユニットでの交換で作業は難しくはない。
サスペンションとステアリング
リアのアッパーマウントは劣化し、コーナリング時の不安定さを招く。中には補強部品が溶接されている例もある。
サスペンション・ブッシュ類は消耗品だから、交換状態は確かめたい。特にリアのトレーリングアーム周りなど。ブッシュだけを交換するには、特別な工具が必要。
ブレーキ
ブレーキパイプの腐食は、オーナーの悩みのタネ。新しいパイプへ交換する場合、エグゾーストや燃料タンクを取り外す必要があり、費用はかなりかさんでしまう。
キャリパーは固着することがあるが、交換部品の入手は難しくない。リビルトされた部品も、比較的手頃に入手可能。
ボディ
E36は錆びやすい。フロントフェンダーやジャッキポイント、サスペンション・マウント周りは要注意。ガラスにBMWのロゴがない場合は、過去に交換された証拠。シールの不良でガラス周りから腐食することもある。
電気系統
コンバーチブルは、ルーフシステムのスイッチやモーターが故障しがち。動作確認はしておきたい。
エアコン用コンデンサーは、飛び石などの被害を受けやすく、ガス漏れするケースも。修理費用は高い。燃料ポンプも故障しやすいポイント。純正部品は、英国では350ポンド(4万8000円)前後で入手できる。
専門家の意見を聞いてみる
バリー・ローレス ターナー・オートモーティブ代表
「BMWを扱うようになったのは、1994年から。S14型エンジンを搭載したE30型M3と比べると、大きな変化を遂げていました」
「特にS50型を搭載した、初期のE36型M3は信頼性に優れていました。誕生から25年前後が経過していますから、弱点はなくはありません。ですが、それ以降のBMWと比べれば、深刻な問題を抱えていることは少ないですね」