【詳細データテスト】ホンダe 広い室内 街乗りは快適で楽しい 航続距離が最大の難点

公開 : 2020.09.06 07:20

かつてホンダは量産EVを実験的に投入しましたが、今回は本格参戦。内外装とも魅力的なデザイン、先進装備、おおむね快適な乗り心地、キビキビした走りなど魅力は多いのですが、とにかく航続距離の短さが難点です。

はじめに

ホンダは自社初の本格量産バッテリーEVを発表するにあたり、世界でもっとも知名度の高いスマートフォンのメーカーのやりかたを見習ったようだ。このふたつの世界的企業が、これまでどれほど違うデザイン哲学を持ち続けてきたのかを考えると、ちょっとばかり奇妙な話に思える。

ホンダの言い分はこうだ。自社の新たなシティカーであるeとアップルのiPhoneとの類似性は、容易に見て取れる、と。

テスト車:ホンダeアドバンス
テスト車:ホンダeアドバンス    MAX EDLESTON

それが正確な表現かどうか、その判断はひとそれぞれだろう。とはいえ、どちらの商品も目を引くデザインとシームレスな機能性をなによりも重要視し、それが価格面のプレミアムを裏付けている、ということらしい。

すべてが白紙から立ち上げられたデザインとプラットフォームを得たeは、ホンダの電動化戦略を牽引する存在になると見込まれている。そうはいっても、少なくとも重要な要素のひとつに疑問が残るのも事実だ。

それは一充電あたりの航続距離だ。手頃な価格の量販EVは、多くがWLTPモードで320km以上を謳うなかにあって、このコンパクトなeは英国での公称値が220kmほどに止まるというのはどうにも物足りない。

しかしながら、ホンダはそれがこのクルマにふさわしいアプローチだと確信している。たとえその戦略が、ユーザー像や用途を厳密に決め付けることで正当化されるとしてもだ。

ホンダのメッセージを読み解くならば、このクルマの購買層は、そのデザインやコンパクトさがお気に召し、長距離を走れないクルマに安からぬ金額を支払うことをよしとする個人ユーザー、ということになる。

ホンダが初の本格ピュアEVをこれほど特化した決断は、次世代シティカーを生み出すうえで吉と出たのか、はたまた凶か。明らかにしていこう。

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