【7代目へモデルチェンジ】最新メルセデス・ベンツSクラス発表 レベル3の自律運転搭載

公開 : 2020.09.03 14:00

メルセデス・ベンツの最高級サルーン、Sクラスがモデルチェンジしました。車重の軽量化を図りつつ、ボディやインテリアのデザインは一新。レベル3に相当する自律運転技術を搭載し、PHEV版も用意されます。

Aクラスより小回りがきくSクラス

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
最新のメルセデス・ベンツSクラスが発表された。メルセデス・ベンツの量産モデルとして、最も先進的な技術を搭載したという。コードネームはW223で、英国での販売は、2021年初めが予定されている。

Sクラスのボディ構造は全面的に再設計を受け、剛性を高めつつ、先代より60kgも車重を削減した。また、レベル3の自律運転や、ガソリンエンジンによるプラグイン・ハイブリッド(PHEV)の性能向上も注目点だろう。

新型メルセデス・ベンツSクラス(欧州仕様)
新型メルセデス・ベンツSクラス(欧州仕様)

最新のPHEV版、S580eでは、EVモードでWLTP値99kmの航続距離を実現。先代のS560eと比較して、倍以上の航続距離を得ている。

一方で、1992年からの伝統でもある、大排気量エンジンも継続。ツインターボで過給される、6.0LのV型12気筒ガソリンエンジンは、マイバッハで選ぶことが可能となる見込み。

新しいSクラスは4ドアサルーンのみで、ホイールベースは通常版とロング版がラインナップされる。AMGやマイバッハ、プルマンなど上級派生モデルも登場予定。現行のSクラス・クーペとカブリオレは、モデルチェンジの予定はない。

Sクラスには、2種類の後輪操舵システムが用意される。最も小回りがきく設定では、リアタイヤは最大で10度も向きを変える。

これにより、先代のSクラスより1.9mも小さい最小回転直径を叶えている。ハッチバックのAクラスより小回りがきく。また、高速域での安定性も向上させている。

レベル3の自律運転システムを搭載

59km/h以下の速度域で、レベル3に相当する自律運転を実現していることも特長。メルセデス・ベンツ製のモデルとしては、初めてだ。

ドライブ・パイロットと呼ばれるシステムで、複数のセンサーと同時に、レーザー光によるライダー(LIDAR)を採用する。こちらは少し遅れて、2021年後半からの導入予定となっている。

新型メルセデス・ベンツSクラス(欧州仕様)
新型メルセデス・ベンツSクラス(欧州仕様)

メルセデス・ベンツによれば、渋滞時や高速道路での適切な条件下において、ハンズオフでの走行が可能だという。ステアリングホイールにはLEDライトが内蔵され、ドライバーへ運転の交代が必要になった場合は、点灯して知らせる。

ドライブ・パイロットとして、レベル4相当の自律運転技術を採用したインテリジェント・パーク・パイロットという機能も搭載している。利用が許可されている国では、ドライバーはスマートフォンを用いて、クルマの外からリモートでSクラスの駐車操作が可能だという。

さらにSクラスの新技術で取り上げたいのが、オプション装備となるデジタルライト機能。片側で130万画素の高精細な光を照射するLED3灯によるヘッドライトで、安全性を高めるために、路面へ警告記号などの投影が可能となっている。

新しいSクラスは、無線でのソフトウエア・アップデート機能も搭載する。また、純EV版となるEQ Sも登場予定。テスラモデルSや、間もなく登場予定のBMW i7などと競うことになる。

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