【韓国製の中型SUVの評価は】キア・スポーテージへ試乗 ディーゼルのマイルドHV
公開 : 2020.09.12 10:20 更新 : 2021.03.05 21:35
ドライビング体験は平均点レベル
ドライビング体験としては印象が薄く、まとまりは良いものの平均点レベル。操縦に対して少し過敏なところがあり、速度域が上がると姿勢制御でムラが出てくる様子。
アクセルペダルの反応は良すぎるし、6速MTは変速時に少し引っかかりがある。だが、どちらもうんざりするようなレベルではない。
19インチのホイールを履いているためか、実際の環境での燃費はほどほど。数日試乗した平均で、15.9km/Lだった。
また、バネ下重量が増えることで、タイヤの上下動が重くなる。垂直方向の揺れは大きくなり、乗り心地に影響が出ている。滑らかさに欠ける郊外の道では、ボディの揺れが目立っていた。
そのかわりロードノイズは控えめ。小さな振動に悩まされる、ということもないようだ。
基本的に、横方向の姿勢制御は悪くない。ステアリングホイールに伝わる感触は薄く、セルフセンタリングが強すぎ、ハンドリングでさほど良い印象はない。少なくとも操舵に対する反応は、正確ではある。
活発さに欠けるステアリングと、緩いボディの動き。そこに3500rpm以上回りたがらないディーゼルエンジンの組み合わせだから、ドライバーが夢中になれるタイプではない。
それでもコーナーで不安を感じたり、追い越しや急な上り坂で必死になるようなことはないだろう。
一定の支持を得ても戦いは厳しい
登場から数年が経ち、モデルとしては比較的古い部類に入る。ドライビング体験や実用性など、際立って優れているモデルともいえず、筆者がお勧めするコンパクト・クロスオーバーの上位には入ってこない。
しかし人気のカテゴリーの中で、ルックスは充分に魅力的に感じられる。バリュー・フォー・マネーも良い。英国では、これまで新車の販売台数でトップ10入りしたこともあるほど、人気は高い。
今後数年間は、この内容では厳しい戦いになるだろう。欧州では環境規制が厳しくなり、純EVやプラグイン・ハイブリッドの需要がますます高まるはず。
それでも、実力は充分で価格も魅力的。充実装備で見た目もハンサムだから、一定の支持は継続して得るはずだ。
キア・スポーテージ1.6 CRDi 48V 3(英国仕様)のスペック
価格:2万8455ポンド(392万円)
全長:4485mm
全幅:1855mm
全高:1635mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:10.8秒
燃費:17.0km/L
CO2排出量:153g/km
乾燥重量:1609kg
パワートレイン:直列4気筒1568ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:軽油
最高出力:135ps/4000rpm
最大トルク:32.5kg-m/2000-2250rpm
ギアボックス:6速マニュアル