【フォード・ブロンコ】新たに5台のコンセプト 遊び場まで提供 本気のブランド戦略 米の先行予約好調
公開 : 2020.09.07 05:50
注目を集めている新型フォード・ブロンコ。新たに5台のコンセプトモデルが発表されました。なぜ今オンラインで発表するのか? またコンセプトの詳細を追います。また、「遊び場」まで公式に提供するといいます。
フォード・ブロンコ 米の予約絶好調
「まさか、ここまでやるとは!?」日系自動車メーカーの北米市場担当者が、フォードの新戦略に舌を巻いた。
その実態とは……。
発表前から、ミシガン州ディアボーンのフォード本社関連施設内で捉えされたスパイフォトや、コロラド州でのオフロードテストのスパイビデオなどがネットで大きな話題となった、フォード新型「ブロンコ」
2020年7月にオンラインでその姿や技術的なスペックが公開されると、ブロンコ人気は急上昇した。
なにせ、ちょっとクラシカルな雰囲気のある丸目の顔と、スクエアなボディスタイルが、老若男女問わず「カッコいい」と絶賛された。
さらに驚きだったのが、ディタッチャブル(取り外し可能)なドアだ。アフリカのサファリや、南米アマゾンへの探検に出かけたくなるような、なんとも大胆なデザインアレンジである。
アクティブな2ドアと、ファミリーも楽しめる4ドア、さらに都会派ドライブも併用できるスポーツの3本柱体制というラインアップも好評だ。
フォードによると、100ドル(約1万600円)のディポジットを支払った先行予約は、オンライン発表から3週間で、2ドア、4ドア、スポーツの3モデルで合計16万5000件にも達した。
では、注目のブロンコ新戦略とは何か?
このタイミングで試みを公開するワケ
2020年8月13日、フォードはオフィシャルメディアサイトで、ブロンコ55回目の誕生日を祝った。
同時に公開されたのは、5台の「アドベンチャー・コンセプト」である。
そもそも、ブロンコが発表された際、ユーザーが大いに興味を持ったのがオフィシャルオプションパーツの豊富さだ。2ドアと4ドアモデル用に200種類、スポーツ用には100種類が初期バージョンとして設定された。
そうしたオフィシャルパーツの活用事例として「アドベンチャー・コンセプト」を仕立てた。ただし、コンセプトと称するからには、オフィシャルパーツ以外にもチューニングやドレスアップを加えている。
なぜ、こうした試みを、このタイミングで、オンラインで公開したのか?
理由は単純明快。毎年11月にネバダ州ラスベガスで開催されている、世界最大級の自動車アフターマーケット見本市「SEMAショー」が、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が決定したからだ。
SEMAショーでのフォードブースといえば、メイン会場の入り口近くに、会場全体が見渡せるような横方向に広いブースを展開。過去10数年間は、ピックアップトラック「Fシリーズ」と、スポーツカー「マスタング」が二枚看板だった。
そこの、第3の柱として、ブロンコが加わるはずだったのだ。