【フォード・ブロンコ】新たに5台のコンセプト 遊び場まで提供 本気のブランド戦略 米の先行予約好調
公開 : 2020.09.07 05:50
5台のコンセプト どんなクルマ?
もし、今年SEMAショーが予定通り行われていたら、フォードオフィシャルブームのみならず、アフターメーカーの各所で個性豊かなブロンコが並び、場内がブロンコ祭りになることが予想されただけ、なんとも残念である。
そうしたユーザーの思いを察したフォード本社が「アドベンチャー・コンセプト」をブロンコの誕生日に合わせて詳細を公開したのだ。
さらに言えば、フォードとしてはブロンコを単なる1モデルとして扱うのではなく、ジープのように1ブランドとして大切に育てていこうという強い意志がある。
それをご理解いただいた上で、5台のコンセプトモデルを紹介したい。
まずは、4ドア・アウターバンクスをベースとした、フィッシングガイド。公開された画像では、フロントフードに釣り竿のホルダーが目立つ。
2ドア・トレイルリッグは、2ドア・バッドランズをベースとした。フォードパフォーマンス・モジュラーバンパーに強力なウインチを備え、過酷な岩場に立ち向かう雰囲気。
スポーツ・トレイルリッグは、ライトチューニングに見えるが足元は31インチのBFグッドリッチのマッドテレインT/A KM3を履いて走破性を高めた。
同じくスポーツでは、トーイング(牽引)を重視するバージョンや、フロントフードにドローンを離発着させる仕様なども提案した。
気軽に集える場もフォード自ら作る
フォードがブロンコに対する本気度の高さは、各種コンセプトモデルの紹介に留まらない。
なんと、ブロンコを走らせ、またブロンコユーザーが気軽に集うことができる場を、フォード自らが作るというのだ。
フォードが、プレイグランドと呼ぶ施設を、まずテキサス州オースティンに2021年に一気に4か所をオープンするという。
日本でも、千葉県房総半島に、ポルシェがエクスペリエンスセンター、フェラーリなどを手掛ける大手商社コーンズアンドカンパニーリミテッドがサーキット施設「ザ・マガリガワ・クラブ」を開設することが決まったが、メーカーとしてオフロード専用施設を展開するのは極めて珍しい。
さらに、フォードはブロンコで、メキシコのバハ半島で行われるオフロードレースに、ワークスチームとして2021年「ブロンコR」を擁して参戦することを決めた。
このように、量産車があり、パーツが豊富で、プレイグランドがあり、レースというチャレンジ精神を見せる。
ブロンコは明らかに、新世代のアメリカンブランドとしての地位を確立し始めている。
日本でも是非、ブロンコの正規輸入が望まれる。
そして、ジープやランドローバー・ディフェンダー、さらには国産オフローダーも交えた、新世代オフロードプレイグランドの誕生にも期待したい。