【英国のクラシック博物館】懐かしのトヨタ車 初代RAV4、レクサスLFAも
公開 : 2020.09.22 16:50 更新 : 2021.01.28 18:33
社会に貢献してきた名車たち
これらのクルマの中には、「クラシック」というステータスが正当かどうか疑問に感じるものもあるだろう。
確かに、低価格のモデルは使い捨てだと主張する人々もいるだろう。しかし、これらのクルマは、アストン マーティンDB6やフェラーリ250 GTO、マクラーレンF1よりも、モビリティ社会に多くの貢献をしてきたので、何らかの記念に値することは間違いない。
クロフトは、展示物がどのようにして選ばれるのか、かなり簡潔に説明してくれた。
「基準は、コンディションが非常に良いこと、走行距離が少ないこと、あるいはちょっと珍しいことです。それがすべて揃っていれば完璧です」
ハイパーカー、スポーツカー、そして愉快なハイラックス・ブルーザーまで、この博物館に並ぶクルマは、自動車の歴史は保存するだけでなく、運転する価値があるという生きた証明でもある。
初代MR2との出会い
コンパクトで角張っていて、スーパーレッドに輝くこのMR2が、なぜ「ベイビー・フェラーリ」という愛称で呼ばれているのかは一目瞭然だ。後ろに下がって目を細めれば、ほとんどF40のように見える。
カローラから借用した1.6L 4気筒自然吸気エンジンを搭載し、128psと13.4kg-mを発揮して、体重1030kgのこの2シータークーペを0-100km/hを8.5秒で走らせる。
過去30年の間に事故や腐食によりMR2の数は減少してきたため、公道ではやや見慣れない存在となっている。運が悪ければ、通りすがりのタンクローリーの車輪の下に消えてしまう可能性があるのだ。遊び心よりも、脆弱さの方がやや勝っているので、このクルマを味わうには一般道を走るのが一番だ。
手頃な価格のスポーツカーは1987年から進歩してきたので、純正のMR2がサーキット走行の武器になるとは思えない。また、今日のクルマのようにきれいな排出ガスも出さない。
しかし、その低い車高、応答性の高いハンドリング、ツインカムモーターの喉を鳴らすような音、そして7000rpmに近いレッドラインは言うまでもなく、別次元の楽しさを提供してくれる。
競技用のスポーツカーではないので、アグレッシブに運転する必要はない。ほとんどの道路では、ランボルギーニやパガーニよりも楽しい時間を過ごせるはずだ。
ただ、このような軽いフロントエンドを持つクルマにしては、ノンアシストのステアリングは衝撃的に重く、後方視界は良くても平均以下で、ラゲッジスペースは心もとない。
しかし、英国では7000ポンド(100万円)程度で手に入るMR2は、日曜日の午後のカジュアルクルーザーとしては羨ましいものだ。