【ラリーのDNA注入】GRヤリス、GRファクトリーで生産開始 トヨタのホットハッチ

公開 : 2020.09.07 18:30  更新 : 2021.03.05 18:45

トヨタGRヤリスの生産が開始。ラリー由来の四輪駆動パフォーマンスカーであり、5ドアのヤリスとは基本構造から全く異なるモデルです。GR専用のラインで製造が行われ、英国では秋に納車が開始されます。

ライン生産とは異なる方式を採用

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

トヨタスポーツカー、「GR」シリーズの新モデル「GRヤリス」が、10月の英国発売に向けて日本の工場で生産を開始した。

生産ラインは特殊で、無人搬送車を用いたボディ運搬や、セル生産方式を採用する新しい車両組み立てシステムを導入している。

トヨタGRヤリス
トヨタGRヤリス    トヨタ

トヨタによると、この方法は他の工場で使用されている従来のベルトコンベアシステムよりも、剛性の高いスポーツカーのシェルやシャシーをより正確に組み立てることができるため、GRヤリスの生産に適しているという。

GRヤリスは先日、英国で2万9995ポンド(420万円)から予約注文できるようになった。

英国仕様のベースモデルはダンロップのスポーツマックスを履いた18インチのアロイホイール、デュアル・エグゾーストパイプ、レザー巻きステアリングホイール、キーレス・エントリー、アクティブ・ノイズコントロールを標準装備している。

ハードなサーキット仕様は価格が3万3495ポンド(470万円)に跳ね上がり、リミテッドスリップデフ、レッドのブレーキキャリパー、ミシュランのパイロットスポーツ、強化サスペンションが追加されている。

どちらのモデルも白が標準のボディカラーだが、オプションで赤、黒、シルバーが用意されている。イギリス向けの納車は11月に開始される予定だ。

ラリー特化のスポーツカー

この新型ホットハッチは、トヨタのガズー・レーシングが次世代ヤリスWRCの開発を支援するためのホモロゲーションモデルとして開発したものだ。英AUTOCARはカモフラージュを施したプロトタイプに試乗したことがある。

トヨタの世界ラリー選手権プログラムを運営するトミ・マキネン・レーシングは、このモデルに多大な影響を与えている。

トヨタGRヤリス(欧州仕様)の内装
トヨタGRヤリス(欧州仕様)の内装    トヨタ

先述の通り、GRヤリスはトヨタのパフォーマンスラインナップ「GR」シリーズのスープラに続くモデルだ。

これまでガズー・レーシングのカンパニープレジデントを務めてきた友山茂樹氏は、「GRヤリスが加わったことで、トヨタのパフォーマンスラインナップはさらに充実したものになった」と語っている。

「新型GRスープラがサーキットを念頭に置いたスポーツカーであるのに対し、GRヤリスはラリーへの参戦を通じて開発されました。多くのファンが待ち望んでいたモデルです」

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