【じっくり見たい】シトロエン・ベルランゴ 純正キャンプ・グッズ/BEWITHスピーカーキットも発売へ

公開 : 2020.09.08 05:50  更新 : 2023.01.23 13:38

ビーウィズ「Platinum Voice for BERLINGO」

このユニットは、16.5cmウーファーユニットと2.5cmドームツィーターの組み合わせでフロントドアに取り付ける。

注目は奥行きを従来比約42%短縮した超薄型設計としたウーファーユニットだ。BEWITH代表取締役 中島敏晴氏は、「シトロエンからのオーダーは(オリジナルと同じ)厚み40mmに収めること。与えられた枠内で最大限の結果を出すのが我々の使命であり、その制約の中で(音質に対して)妥協することなく取り組んだ」と話す。

発売が決定したビーウィズ・プラチナム・ボイス for ベルランゴ(車両装着写真は開発中のプロトタイプ)。40mmの超薄型ウーファーを搭載した純正ティーラーOP。
発売が決定したビーウィズ・プラチナム・ボイス for ベルランゴ(車両装着写真は開発中のプロトタイプ)。40mmの超薄型ウーファーを搭載した純正ティーラーOP。

一般的に純正スピーカーはコストを優先して開発され、ユニットもすでに開発済みのものを使うことが多い。しかし、「ベルランゴ」では構造上、それが許されない。

そこで、その実現のために取り組んだのが、ユニットを新規開発のフルバスケット構造としたことで、マグネットも敢えて外磁型を組み合わせた。これによって、薄型ながら大入力にもしっかり耐えられる高剛性構造としたのだ。

中島氏によれば「アルミ製バッフルも新調し、端子も外れにくい専用設計で30万円クラスのコストはかけている。その意味では、13万2000円はバーゲンプライス」と話す。

この日、展示会場では1台の「ベルランゴ」にプロトタイプの「ビーウィズ・プラチナム・ボイス」が装着されていた。BEWITHによれば「とりあえず音が出ているレベル」ということだったが、「雰囲気はわかる」ということで試聴させていただくことにした。

最初は前後のバランスを5:5で聴いてみる。ところが、この状態ではリアの純正スピーカーの影響が大きく低域のキレが悪い。そこで、フェダーコントロールで前方ヘ少しずつシフトさせてみた。

効果を感じ始めたのは7:3ぐらいで前にシフトしたとき(写真)。音の輪郭がハッキリとして来たのだ。

後付けも対応 ディーラーで1h

一方でフロントだけにすると音の明瞭感は際立つものの、包まれ感は今ひとつとなった。純正スピーカーとはいえどもリアからの音も多少加えた方が落ち着いた音になるようだ。

その辺を担当者に訊ねると、製品に添付される取扱説明書では「前方にシフトする設定をオススメしている」(担当者)という。製品化にあたっては当然ながら聴き込みも行っており、その中で得た結論なのだという。まだプロトタイプなので結論づけるのは早いのかも知れないが、その設定も1つのプランとして試してみるといいのかも知れない。

サイクリングをテーマにしたベルランゴの使用イメージ。
サイクリングをテーマにしたベルランゴの使用イメージ。

また、「ビーウィズ・プラチナム・ボイス」はディーラーでの後付けが可能であるため、とりあえずはノーマルで楽しみ、その音に不満を感じたならこのユニットをオーダーしてもいい。

取付けはシトロエンの各ディーラーが担当するが、スピーカーの角度も変更していないため、マニュアルに従えばおよそ1時間程度で完了できるという。

つまり、そこにはプロショップ的な取付けではなく、気軽に高品質なサウンドを提供しようという「ビーウィズ・プラチナム・ボイス」ならではのコンセプトがあるのだ。

仲間や家族と共に好きな音楽を聴きながらドライブを楽しむといったシーンにも「ベルランゴ」の広さは打ってつけ。

機能的でフランス車らしい快適な乗り心地を持つだけに、ロングドライブにも頼もしい。「ベルランゴ」は日本のミニバンとはひと味違った体験を提供してくれそうだ。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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