【理想的なレストモッド】イーグル・ライトウエイトGT Eタイプへ試乗
公開 : 2020.09.13 10:20
残るEタイプらしいフィーリング
ブッシュやアーム、スプリング、ダンパー、ロールバーなど、サスペンションはすべてイーグルのオリジナル。軽量に仕上げるため、オイルサンプやベルハウジング、デフケース、ハブやホイールは、マグネシウムが用いられている。
エンジンのインテークはカーボンファイバー製。エグゾーストはチタン製だ。
バッテリーはリチウムイオンで、ドライブシャフトは中空。まだまだ続くが、書ききれないので写真をご覧いただきたい。
見た目だけでなく、フィーリングにもEタイプらしさが残っている。車内空間を広げるため、リアのバルクヘッドの位置が変更されているが、ドライビングポジションはEタイプのまま。ダッシュボードの先に、先端の見えないボンネットが伸びる。
イーグル・ライトウエイトGTで何よりも良いのが、レースカーに見えても、公道用に仕立ててあるところ。エンジンは低回転域でのトルクが厚く、回転数の上昇とともにシャープさを増していく。
ボディ剛性は、もとのEタイプよりはるかに高い。しかしオーリンズ製の調整式ショックアブソーバーを備え、バネはまだ充分にソフト。姿勢制御も素晴らしい。
車重は1tをわずかに超える程度。快適さを高めてくれる、大きめのシートとエアコンを諦めれば、1tを切る。そうすれば、ポルシェ911 GT3 RSに匹敵するパワーウエイトレシオを獲得することができる。
心の底から運転したいと思える
その仕上がりは、とても速い。それでいて、途方もなく懐も深い。クラシックカーらしい姿とサンドに浸りながら、心地よく軽快なドライブを楽しめる。
あるいはエンジンの回転数を上げ、コンパクトなボディサイズを活かした走り方も、もちろん可能。視界に見えるものはまたたく間に後ろへ姿を消し、見事なAPレーシング製のブレーキが、速度を受け止めてくれる。
確かにイーグル・ライトウエイトは、驚くほど高い。最近はレストモッドを受けた選択肢として、ほかにも優れたモデルがいくつか選べる。
しかし、カーブの続く開けた郊外の道で、心の底から運転したいと思えるクルマは多くはない。イーグル・ライトウエイトGTは、筆者がそう思える数少ない1台だ。
イーグル・ライトウエイトGT Eタイプ(英国仕様)のスペック
価格:81万ポンド(1億1340万円)
全長:4445mm(標準Eタイプ)
全幅:1657mm(標準Eタイプ)
全高:1222mm(標準Eタイプ)
最高速度:273km/h以上
0-100km/h加速:5.0秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:1017kg
パワートレイン:直列6気筒4700cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:385ps/5750rpm
最大トルク:51.7kg-m/4000rpm
ギアボックス:5速マニュアル