【PHEVの小さなオフローダー】ジープ・レネゲード4xeへ試乗 個性と走破性 前編
公開 : 2020.09.15 10:20
ジープ製モデルの中で、一番人気がコンパクトSUVのレネゲード。マイナーチェンジにあわせてプラグイン・ハイブリッドを獲得しました。小さなジープとして、濃い個性と高い走破性は変わりません。英国編集部が評価しました。
CO2の排出量を抑えたいジープ
「新時代の始まりです」。とジープはいう。「CO2排出量の平均値を削減できる」。とわれわれは思う。
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)として、初めて欧州市場にプラグイン・ハイブリッドモデル(PHEV)が投入される。堅牢なオフローダー・ブランドは、今後への自信を伺わせる。
FCAの中で、最も環境負荷の高いブランドの1つがジープ。テスラ社とCO2排出権の取引をしても、厳しい欧州の規制値をクリアすることは難しい。ジープは、ブランド内で電動化技術の導入を進めることが避けられない。
まず最初に発表となったのが、一番人気のSUV、レネゲード。追ってコンパスとラングラーにも、PHEVが登場する見込み。2022年までにはすべてのモデルへ、エネルギー源の1つとしてバッテリーが搭載されるはずだ。
レネゲード4xe(フォー・バイ・イー)の主なライバルとして名前があがっているのが、ミニ・カントリーマン(クロスオーバー)PHEV。ほかにも、PHEVのSUVは近年数が増えつつある。
確かに英国での販売価格は、近似している。一方でレネゲードの方が、標準装備は充実している。スタイリングの好みは、大きくわかれそうだ。
ジープ・レネゲード4xeが搭載するのは、1.3Lの4気筒ガソリンターボ・ユニット。エンジン単体での最高出力は、ベースグレードで129ps。トップグレードの場合、最高出力は179psまで引き上げられる。今回試乗したのは、129ps版の方だった。
見た目はエンジン版レネゲードとほぼ同じ
レネゲード4xeでは、馬力に関係なくガソリンエンジンが前輪を動かし、59psの電気モーターが後輪を駆動。ドライブシャフトを持たずして、四輪駆動としている。
システム総合での最高出力は、ベースグレードで189ps。トップグレードでは、240psとなる。
コンパクトなボディだから、パワーは十分。一方で追加となったバッテリーなどにより、通常のエンジンモデルと比較して、車重は130kgから200kgほど増えている。増加量は、グレードによって違う。
バッテリーの容量は11.4kWh。荷室の床下にシステムが搭載され、荷室容量は20Lほど少なくなっている。ジープは、空間的な損失はない、と話しているけれど。
多くのPHEVと異なり、レネゲード4xeは、22kWの高速充電器には対応していない。7.4kWが最高で、80%の量まで充電するのに1時間半ほどが必要。
エンジンモデルと、見た目の違いは限定的。給油口の反対側に、充電口が追加されていることと、4xeのエンブレムが追加になるくらい。
トリムグレードは、ベースグレードから今回のトレイルホークまで3段階が用意される。オフロード・タイヤや実用的な装備など、ジープらしいオプションもふんだんに選べる。
4xeの車内も、通常のレネゲードと大きな違いはない。パワートレイン・モードを選ぶボタンが控えめに配置され、メーターパネルが新デザインとなっている。