【スーパーカー黄金時代】フェラーリF40、ホンダNSX、イズデラ・インペレーター 前編
公開 : 2020.09.26 07:20 更新 : 2021.08.05 08:08
イズデラ・インペレーター
1970年代の終り、BMWは自社初となるスーパーカー、M1を発表し、世界を驚かせた。しかしメルセデス・ベンツも、エーベルハルト・シュルツの手による最先端なCW311コンセプトを仕込んでいた。
ところがメルセデス・ベンツは手のひらを返し、テスト車両でしかないと主張。シュルツは自らイズデラ社を立ち上げ、スーパーカーの市販を目指した。
インペレーターは、CW311コンセプトと大きな違いはない。チューブラー・スペースフレームのシャシーに、未来的なグラスファイバー製のボディを搭載。ヘッドライトは、オリジナルではリトラクタブル式だったが、フェアリングの付いた固定式へ改められた。
エンジンは、メルセデス・ベンツ製の4973cc V型8気筒。R107型のSLにも積まれるユニットだ。空力的に優れたボディで、最高速度は283km/hに届き、0-97km/h加速を5.0秒でこなした。
さらに、メルセデス・ベンツの量産モデルに高性能エンジンが追加されたことで、イズデラも恩恵を受けパワーアップ。AMG製の32バルブ6.0L V8エンジンにより、最高出力は395psを獲得した。
1984年にインペレーターの生産が始まり、1991年にはフェイスリフト。CW311コンセプトと同じ、リトラクタブル・ヘッドライトに戻っている。
1993年まで、およそ10年間生産が続いたが、売れたのはわずかに30台。それが、メルセデス・ベンツが量産化しなかった、理由の1つだったのかもしれない。
続きは後編にて。