【時間をかけて味わう】ホンダe アドバンス(1)長期テスト 好き嫌いを二分

公開 : 2020.09.20 11:50

BMW i3以来の感銘を与えるインテリア

スタンダードのeは、218kmの航続距離をうたうが、アドバンスでは201kmへ短くなる。長期テストのクルマでは、エネルギー効率で不利な大径ホイールも履いている。実際に試したところ、現実的な環境での航続距離は180km程度のようだ。

航続距離は、スタンダードのeでも長いわけではない。eの魅力を一番感じるには、アドバンスの方が良いだろう。価格は2500ポンド(35万円)ほど高いが、内容は大幅に充実する。

ホンダe アドバンス(英国仕様)
ホンダe アドバンス(英国仕様)

ホイールは16インチだけでなく、17インチも選べ、本当に音質の良いプレミアム・サウンドシステムが付いてくる。冬場に重宝する、ヒーター内臓のフロントガラスも備わる。

長時間観察したくなるインテリアとの出会いは最近少ないが、ホンダeなら、せずにはいられない。筆者がこれほど感銘を受けたインテリアは、BMW i3以来だ。

ホンダeも、i3に似た雰囲気がある。充分なテクノロジーと、興味がそそられる素材感。センスの良い空間にまとまっている。

ボディは、外から見ると小さく感じられるが、中に入ると思いのほか広い。デザインは、新鮮な印象を強く感じさせてくれる。

快適な運転姿勢も取りやすい。サイドミラーはカメラ映像に置き換わり、Aピラーの付け根にレイアウトされたモニターへ、横後方の様子が映し出される。ホンダeのハイライトの1つといえる。

時間をかけてホンダeをしっかり味わう

好き嫌いには関係なく、カメラ映像に慣れるには、複数回運転する必要はあるだろう。光学的なミラーより視野が広く、暗い場所での視認性は高い。車線変更時に表示される、緑色のガイドラインが便利だ。

アドバンスの場合、フロントガラス上のリアミラーも、カメラ映像になる。慣れやメリットは、カメラ版サイドミラーと同じ。

ホンダe アドバンス(英国仕様)
ホンダe アドバンス(英国仕様)

手始めに、AUTOCARの試乗記事を読み込んでみた。これから数か月、ホンダeをしっかり味わう準備は整っている。

ホンダeが好きな人にとっては、すでに美しさが心を掴んで放さないだろう。それ以外の魅力も、徐々に明らかになっていくはず。多くの人の心も、動かせるかもしれない。

セカンドオピニオ

開発最終段階のプロトタイプを、テストコースで運転したことがある。航続距離が短いことは知っていたが、1周を走り終える頃には、その優れた動的性能ですっかり好きになっていた。

高い価格、小さいボディ、実用性に疑問な短い航続距離など、合理的ではない部分は否定できない。いろいろな意見も聞こえてくる。でも、一度好きになったら忘れられないものだ。 James Attwood(ジェームス・アトウッド)

テストデータ

テスト車について

モデル名:ホンダe アドバンス(英国仕様)
新車価格:2万9160ポンド(408万円)
テスト車の価格:2万9710ポンド(415万円)

オプション装備

メタリック塗装:550ポンド(7万7000円)

テストの記録

航続距離:177km(過去記録)
故障:なし
出費:なし

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