【プレミアム感をプラス】マツダMX-5(ロードスター) 1.5 R-スポーツへ試乗
公開 : 2020.09.23 10:20
英国で追加となった150台限定の特別仕様、マツダMX-5(ロードスター)のR-スポーツ。プレミアム感をわずかに加えつつ、本来優れたロードスターのドライビング体験を純粋に高めている、と英国編集部は評価します。
もくじ
ー英国内で限定の150台
ー同価格帯でベストのシフトフィール
ー数秒で開閉できるソフトトップ
ー一般道の爽快さで右に出るものはいない
ーマツダMX-5(ロードスター) 1.5 R-スポーツ(英国仕様)のスペック
英国内で限定の150台
マツダMX-5(ロードスター)に、限定モデルが登場した。マツダのアイコンともいえる2シーター・スポーツは、数え切れないほど沢山のファンを、英国でも生んでいる。それでも、まだまだその魅力は衰えていない。
メカニズムまで手が加えられるケースは少ないものの、限定仕様のロードスターは何度もリリースされてきた。折々の限定カラーが、通常の量産モデルとは異なる、際立つ存在感を与えてきた。
今回の限定仕様、1.5 R-スポーツも基本的には容姿的な変化のみ。ポリメタル・グレーと呼ばれるボディ色と、色調がコーディネートされたソフトトップが大きな違い。今回は鮮やかな色ではないから、自己主張が強いとはいえない。
足元を飾るホイールは、レイズ製の16インチで鍛造。正直、控えめなデザインだ。
バーガンディのレザーが車内を彩り、インテリアの雰囲気は高められている。しかしそれ以外は、基本的に通常のロードスターと変わりはない。
台数は、英国内で150台に限られる。選べるエンジンは1.5Lのみ。多くのドライバーへ、控えめなエンジンでも充分に楽しめるということを、知ってもらいたいのかもしれない。
最高出力は131psで、6速MTを介して後輪を駆動。車重は1100kgをわずかに超える程度だから、この馬力でも0-100km/h加速は8.3秒でこなす。
同価格帯でベストのシフトフィール
軽快に吹け上がる1.5Lエンジンは、ロードスターの心臓として長い間積まれてきたユニット。一方で2.0Lエンジンの方には、LSDやストラットブレース、ビルシュタイン製のダンパーなどが装備され、より高次元のドライビング体験に浸れることも確か。
1.5Lの場合、最高出力が得られるのは、7000rpm。レッドライン手前の回転数で、そこまでリニアにパワーを高めていく。ロードスターは、従来どおりアナログ。自然吸気エンジンを、しっかり回して楽しむタイプだ。
低回転域でも充分に速い。しかし、活発なアクセルレスポンスを期待するなら、ギアを活用し中回転域以上を保って走りたい。
ペダルレイアウトはコンパクトにまとまり、ヒール・トウがしやすい。シフトノブはストロークが短く、ストンと決まる。この価格帯では、ベストといえる質感がある。
値段は上だが、ホンダ・シビック・タイプRのシフトフィールも良い。さらに超えるなら、ロータスやケーターハムまで選択肢を広げる必要があるだろう。
軽快で正確なステアリングと、優れた操縦性のバランスのおかげで、コーナーを駆け抜けていくのが楽しい。多少路面が濡れていても、グリップ力も充分にある。
オーバーステアでテールを流すには、かなりプッシュした走りが求められる。しかし、その領域に届けば、予測どおりにクルマは反応し、修正も容易い。