【現実世界で使えるかどうか】スバル次世代アイサイト 本当に使えるのか? 疑似交差点で体験してみた

公開 : 2020.09.15 05:50

実体験 出会い頭の事故防止の重要性

もう1つが、一般的に出会い頭の事故例が多い、見通しの悪い信号機のない交差点での対応だ。

ここで斜め前方向けのミリ波レーダーが効く。

自車速度約60km/h以下で、車内に警報が鳴り、自車速度約20km/h以下で衝突被害軽減ブレーキが作動する。

つまり、ステレオカメラを広角化してもカバーしきれない、自車の進行方向に対して真横の領域について、ミリ波レーダーで対応する。

この機能をスバルは、前側方プリクラッシュブレーキ・前側方警戒アシストと呼ぶ。

では、実車で体験してみると、どう感じるのか?

スバルが用意した疑似的な、信号機のない見通しの悪い交差点で、新型レヴォーグの助手席に乗車した。

停止状態から、時速10km/h程度でジワジワと交差点に差し掛かると、交差する道の左からクルマが接近。このスピードだと、警報が鳴ってすぐにブレーキがかかった。

ほっとして、右折しようと思うと、横断歩道に歩行者の姿。ステレオカメラが作動しブレーキをかけ、歩行者との衝突を無事回避した。

筆者自身の日常生活と照らし合わせてみて、確かにこうしたシチュエーションは十分に想定でき、改めて次世代アイサイトの実力に感謝した。

現実で「本当に使える」先進安全技術

同乗走行の後、ダミー障害物に対する衝突被害軽減ブレーキ作動の模様を見学した。

接近速度は約70km/hと、一般道路ではかなり高速である。アイサイトバージョン3では約60km/h想定だったが、さらに高性能化した。

背景にあるのは、ステレオカメラが刷新されてことに加えて、電動ブレーキブースターの採用がある。

次世代アイサイトからの制御指令に対するブレーキ開始までの時間が短くなり、結果としてより高い速度からでも衝突を回避できるようになったのだ。

今回の体験でも、また8月のアイサイトXの体験でも、共通しているのは「リアルワールド」という点だ。

スバルは次世代アイサイトの開発の狙いを「リアルワールドで安心して『本当に使える』先進安全技術」だと強調する。

90年代から先進安全技術の開発を地道に進めてきたスバル。2010年代になり、世界各国で自動運転の実証試験や、高度運転支援システム(ADAS)の量産化が進む中、スバルとしては、一貫してリアルワールドでの使い勝手を最優先している。

リアルワールドで、どのような状況で事故が起こっていて、そうした事故を可能な限り回避するために、大手メーカーと比べると開発投資に制約があっても、スバルとして何かできるのか?

そうした毎日の小さな努力の積み重ねが、次世代アイサイトの精度を上げている。

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