メルセデス・ベンツE 350de

公開 : 2020.10.28 05:50  更新 : 2021.10.13 15:58

SUVにないものは? セダン復権?

長野県白馬までテスト走行した帰路、ハイペースで走る田舎道では9速ATの捌きによって静かに息づく194psのディーゼルが主な動力源となっていた。

たまに訪れるストップ&ゴーでは122psのモーターが存在感を示す。システム総計306psのパワートレインの躾けはすばらしく、だからこそ、その存在を忘れてしまっている瞬間も多かった。

メルセデス・ベンツE 350deのトピックは動力源だけでなく、Eクラスの車体ありきと筆者。
メルセデス・ベンツE 350deのトピックは動力源だけでなく、Eクラスの車体ありきと筆者。    田村 翔

これは長距離をこなしても疲れないクルマ特有の長所と言えるだろう。

E 350deのトピックはズバリ「動力源だけ」、と言ったらそれは乱暴すぎるだろう。やっぱりEクラスの車体ありきなのだ。

今回の個体はアヴァンギャルド・スポーツというグレード名の通りAMGラインのインテリアやホイールなどはなかなかスポーティな印象でまとめられていた。

けれどそれ以上に静粛性や乗り心地の良さが際立っている。走りに品がある、まさにそんな感じなのである。

SUVは何か楽しいことがはじまる「週末感」に溢れている。その一方で、E 350deのようなフォーマルな雰囲気や走りの品格は持ち合わせていないように思う。

最近はセダンの代替=SUVという認識があるが、両者の立ち位置は根本的に異なっているのである。

人の目を気にして時流に乗るならSUV、自己満足を優先するならやっぱりセダン?

E 350deでけっこうなロングドライブをこなし、心に染み入るようなドライビング体験をしたことで、セダンに対するオジサン臭いイメージがかなり払しょくされたのだった。

メルセデス・ベンツE 350deアバンギャルド・スポーツのスペック

価格:875万円
全長:4923mm
全幅:1852mm
全高:1475mm
最高速度:−
0-100km/h加速:−
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:−
パワートレイン:直列4気筒1950ccディーゼルターボ+電気モーター
使用燃料:軽油
最高出力:306ps(システム総合)
最大トルク:71.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:9速オートマティック

メルセデス・ベンツE 350de
メルセデス・ベンツE 350de    田村 翔

記事に関わった人々

  • 吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 田村翔

    Sho Tamura

    1990年生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業後、2013〜2020年までアフロスポーツのメンバーとして活動。2020年よりフリーに転向。光と影を生かしながらレーシングカーやアスリートの「美」と、報道的かつ芸術性を追求した表現を目指し、モータースポーツと国内外のスポーツ競技を撮影する。日本レース写真家協会(JRPA)会員/日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。

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