【やはり、ライバルではなかった】ダイハツ・タフト独自路線 乗って聞いてわかった ハスラーとの明らかな差
公開 : 2020.09.20 05:50 更新 : 2021.10.13 15:58
ダイハツ・タフトの試乗記です。価格や見た目を考えると、スズキ・ハスラーがライバルとして浮かんできそうです。しかしダイハツも、そして桃田健史が実際に試乗した印象もハスラーとは方向性が異なるものでした。
タフトに試乗 感じるある種の違和感
体温計測の結果は36.6℃。両手をしっかりアルコール消毒し、試乗に関する同意書に署名。周囲とソーシャルディスタンスを保ちながら、試乗に関する説明を受けた。
新型コロナウイルス拡大の影響を鑑み、自動車メーカー各社の報道陣向け公道試乗会の延期や中止が相次ぐ中、ダイハツが東京お台場のホテルを基点に「タフト」試乗会を実施した。
これまでタフトについては、オンライン会議システムを使い、ダイハツの製品企画担当者らと意見交換してきたが、試乗は今回が初めてだ。
用意された試乗車は、最上位グレードの「Gターボ」2WDと、ノンターボエンジン搭載の中位グレード「G」2WDの2種類。
まずは、フォレストカーキメタリックの「Gターボ」から乗った。
走り出して最初に感じたのは、視界に対する、ある種の違和感だ。
タフト最大のアピールポイントである、スカイフィールトップは、他に類のない運転感覚がある。
ダイハツによると、運転者が前方を向いた状態で、上下の視野は50~60°。一方で、運転者を支点としてスカイフィールトップを見ると上下86.5°の広がりがある。
また、スカイフィールトップは一般的なサンルーフと比べて、かなりフロントガラス側に配置されている。運転席からの天井を含めた前方視界が「なんだか、いつもの勝手が違う」ように感じる。
シェードを開閉 空間の強弱が楽しい
スカイフィールトップを満喫するため、お台場から東京ゲートブリッジに向かった。
眼下には、東京オリンピックのボート・カヌーの競技会場。頭上には、羽田空港への最終着陸準備が整った大型旅客機のお腹が見える。
気分はまるでオープンカーだ。むろん、スカイフィールトップ自体が開閉することはないのだが。
そんなふうに感じるさせる理由について、わかったような気がした。それは、ルーフ自体の低さだ。
東京ゲートブリッジ走行中に、スカイフィールトップのシェードを閉めてみると、一気に車内が狭く感じる。
ボディデザインでのウエストラインがかなり高く、いわゆる上屋(うわや)が小さいことが、タフト独特の雰囲気を醸し出している。
ただし、それは単なる狭さとか、息苦しさではなく、コックピット感につながっている。
そうした独特の空間が、スカイフィールトップによって、さらに大きく変化する。そうした、人が感じる空間の強弱感が、実に楽しい。
空間の楽しさは、外装や内装の造形だけで実現しているのだはない。
走りの楽しさも大きく影響してしている。