【4.0L V8ガソリンで507psを獲得】アウディSQ7へ試乗 並外れたタレント性
公開 : 2020.09.24 10:20
車重を感じさせないコーナリング
SUVだという意識が、そう感じさせるようにも思える。見た目以上にダイナミックだ。一方で、ディーゼルの方がパワフルだったと感じるドライバーも、いるかもしれない。
車重は2265kgもあるが、コーナリング時の質量の制御にも感服する。ダイナミック・モードでアクティブ・アンチロールバーを引き締めれば、SQ7は速度を保ったままカーブを抜けていく。
ステアリングの反応スピードや重み付けも適正で、タイヤに掛かる負荷状況を手のひらで感じ取れる。ドライバーへ、操る自信を与えてくれる手応えだ。
軽くない車重と、大きなボディだから、高速ドライブはSQ7最大のストロングポイントではない。しかし、圧倒的なトラクションと、ニュートラルな操縦性のバランスを備え、想像以上に小気味よく運転できる。
手に汗をかいて必死に操る、という感覚は少ない。少なくとも、車線の幅が広く、視界の良い道では。
7万8190ポンド(1063万円)という英国価格も、ライバルと並べば訴求力が高い。V8エンジンを搭載したポルシェ・カイエンGTSは、約7000ポンド(95万円)高い。 BMW X5 M50iはわずかに安いものの、7列目のシートは選べない。
7シーターのBMWとなるとX7 M50iがあるが、英国価格は9万2975ポンド(1264万円)もする。メルセデスAMG GLE 53なら7シーターで、7万5060ポンド(1020万円)と並ぶ。だが、6気筒のマイルド・ハイブリッドはSQ7ほどの特別感はない。
SQ7の並外れたタレント性
アウディSQ7の並外れたタレント性に、誰しもが驚くに違いない。圧倒されるほどの動的性能を備えつつ、白眉の洗練性を備えた長距離ツアラーでもある。
気持ちを高ぶらせてくれる道に出会えば、優れたグリップ力と操縦性、パワーで、ドライバーを楽しませてくれる。
7シーターのSUVに507psは、少々過剰。しかし、7名で快適に移動できるという事実は、SQ7の存在価値をさらに高めるものだ。
ただし、ディーゼルからガソリンへスイッチしたことで、アウディSQ7の燃費は相応に悪化している。今回の試乗では平均で5.3km/Lしか走らなかった。2016年にディーゼル版を試乗した時は、8.5km/Lほど走っている。その点は、忘れずに。
アウディSQ7(欧州仕様)のスペック
価格:7万8190ポンド(1063万円)
全長:5069mm
全幅:1968mm
全高:1668mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.5秒
燃費:8.2km/L
CO2排出量:276g/km
乾燥重量:2265kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:507ps/5500rpm
最大トルク:78.3kg-m/2000-4100rpm
ギアボックス:8速オートマティック