【BMW製FFホットハッチ】BMW 1シリーズ 128tiプロトタイプへ試乗 登場は年末
公開 : 2020.09.25 10:20
とても速く、まとまりが良く自然
そこで、ステアリングの応答速度は、M135iと比べてわずかに穏やかにされた。リアタイヤの駆動がなくなったことで安定性にも影響があり、トルセンLSDのロックレシオは38%から31%へ落とされた。
タイヤは、ミシュラン・パイロットスポーツ4。このクラスのホットハッチが履くタイヤとしては、穏やかな銘柄。スピード重視、というクルマではない証拠だ。
そうはいっても、コーナリング中のLSDの効きは充分に強い。電動パワーステアリング・ラックは、トルクステアを予測し、カウンタートルクを与えるようアップデートされた。
実際に運転してみると、デフがどのように機能しているのか、感じ取ることは難しい。それでも、かなり効果的なことは間違いない。
18インチホイールであっても、英国の道では乗り心地が硬すぎるのではないか、という心配はある。実際に試乗しなければわからない。B48エンジンのターボラグは、想像より長く感じた。といっても、ライバル並みのレベルではある。
それ以外のBMW 128tiは、とても好感触なクルマだった。とても速く、まとまりが良く自然。従来の、6気筒エンジンを積んた1シリーズとも異なる。
スタイリングも迫力を増し、バランスに優れ機敏。ボディロールのレートとステアリングの応答速度も、よく調和が取れている。128tiがライバルモデルより重たいことも、うまく隠せている。
素晴らしい選択肢になる可能性大
BMW 128tiのプロトタイプにもう少し求めたい部分があるとすれば、ホットハッチとしての差別化につながる個性。
シビック・タイプRの他に類を見ないドライビング・ポジションや、メガーヌRSの過激なまでの俊敏性といったもの。あるいはフォーカスSTが積む、エネルギッシュな2.3Lエンジンなど。
翻ってみれば、BMW 128tiは、ライバルより欠点が少ない仕上がりになるのかもしれない。個性派揃いのホットハッチの戦いでは、重要な部分でもある。
近い内にホットハッチの購入を考えているドライバーなら、BMW 128tiの登場まで待っても良いだろう。素晴らしい選択肢になる可能性は、大いにある。
BMW 1シリーズ 128ti プロトタイプのスペック
価格:3万2000ポンド(435万円/予想)
全長:4319mm(標準1シリーズ)
全幅:1799mm(標準1シリーズ)
全高:1434mm(標準1シリーズ)
最高速度:−
0-100km/h加速:6.2秒
燃費:−
CO2排出量:−
乾燥重量:1520kg
パワートレイン:直列4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:264ps/4750-6500rpm
最大トルク:40.7kg-m/1750-4500rpm
ギアボックス:8速オートマティック