【日本とは状況が違う】日産フェアレディZ新型 主戦場アメリカでのライバル5選 日本人には意外な車種も
公開 : 2020.09.22 05:50
マスタングがカマロもライバルになる
アメリカ人にとって、Zは海外メーカーによる輸入車。
となれば、アメリカ国産車でのライバルが存在する。
アメ車の2ドアスポーツカー御三家といえば、フォード・マスタング、GMシボレー・カマロ、そしてダッジ・チャレンジャーだ。
日本人感覚では、これら3モデルには、60年代を彷彿させるマッスルカーのイメージが強く、そのためヨーロピアンテイストを感じさせる初代Z(S30)から続くZの商品性とは大きく違い、Zのライバルと言われてもピンとこないかもしれない。
だが、マスタング、カマロ、チャレンジャーは、ベースモデルはZと同じ3万ドル台(約300万円台)前後。
また、女性ユーザーも比較的多いコンバーチブルの設定という面でも、Zとの商品共通性がある。
ここで気になるのは、ハイパフォーマンス系への対応だ。
マスタングのシェルビーや、チャレンジャーのSRTなど、ドラッグレースのイメージ優先でのハイパワー・ハイトルク型の上級グレードが、アメリカでは根強い人気だ。
ここにニスモ・ブランドとして対抗策を打つのか?
Z33、Z34では、サスペンションやボディスタイリングが主体のメーカー系チューンに徹してきたが、新型Zではそうした旧日産の殻を破ってくるのかどうか?
日本人にとっては意外なライバルも
2ドアスポーツカーといえば、GMシボレー・コルベットがある。新型はリアミドシップ化して、まるでフェラーリにような風貌となったことが日本でも大きな話題だ。
先代までのFRでは、一見するとZのライバルになりそうに思える。だが、コルベットファンのコルベット愛は強く、それはZファンのZ愛も同じだ。両車はライバルというより、お互いの存在を尊重している。そんな間柄であり、実質的にライバルとは言えない。
一方、日本人にとっては意外かもしれないが、Zのライバルはポルシェだ。
アメリカ国内価格では、「718」がZの約2倍、「911」が約3倍であり、一般的な買い物感覚ではライバルではない。
だが、実際には「Zがとても気になる」というポルシェユーザーが多い。特に、新型Zのフォルムからすると、そうした思いを持つポルシェユーザーはさらに増える可能性がある。
むろん、セレブ層ならば新型Zを買い足してガレージに並べることも十分あり得る。
また、日産側もZ33開発時点で、911をベンチマークとして研究を進めていたことを当時、Z33の開発統括者から直接聞いている。
これは、開発者としての自己満足ではなく、アメリカでの市場調査をもとにした考え方である。
実際、新型Zが日米でどんなモデルとライバル関係になるのか、今後の市場動向を注視したい。