【英国版もマイルドHVに】スズキ・イグニス1.2へ試乗 燃費と乗り心地を改善
公開 : 2020.09.26 10:20 更新 : 2023.01.20 08:13
優れた燃費に実用性重視のインテリア
今回の試乗では、高速道路や一般道などを交えて、1360kmほどの距離を走行した。得られた燃費は、18.3km/Lと充分に納得できるもの。ISGのアシストで、0.2Lのガソリン消費をアイドリング時に減らせたようだ。
筆者のこれまでの経験では、燃費は更に伸びる。前輪駆動モデルで気を使って運転すれば、23.0km/Lくらいは出せるだろう。
イグニスは、ハンドリングを楽しむタイプのクルマではない。それでも、郊外の道を運転すれば、クルマと穏やかな対話を楽しむことができる。シリアスなやり取りではないが、ドライバーにちゃんと応えてくれる。
インテリアは新しさに欠け、実用性重視。傷の付きにくい硬質なプラスティックを用いているが、スタイリッシュな車内のシティカーを探している人の目には、魅力的に映らないとは思う。
センターコンソールのパネルは、ガタツキが大きい。それでも、堅牢ではあるはず。エアコン用のコントローラーは大きく扱いやすい。ヒルディセント・コントロールや車線維持支援システム、衝突被害軽減ブレーキのスイッチ類も同様だ。
タッチモニター式のインフォテイメント・システムも、基本的には従来どおり。反応が鈍く、扱いやすいわけでもない。ステアリングホイール上に、ステレオの操作ボタンがあるのはありがたい。
気候変化の大きい地域では有力な選択肢
運転姿勢は、かなりアップライト。シートはランバーサポートの効きも良く、ステアリングホイールは上下に動かせる。多くの人が、丁度いい姿勢を見つけられるだろう。
ボディ高があるから、インテリアは開放的に感じられる。リアシートの足元は、それほど広いわけではない。
今回の試乗ではオフロード走行の機会はなかったが、AUTOCARでは以前、四輪駆動のイグニスの優れた走破性を確かめている。
英国での価格は、四輪駆動で一番上のトリムグレードでも1万7499ポンド(237万円)と、リーズナブル。フィアット・パンダの方が安価だが、内容は少々時代遅れにも感じてしまう。
スズキ・イグニスは、ジムニーに置き換わるクルマではない。しかし、雪が降るような気候変化の大きい地域でコンパクトモデルが必要なら、この小さなSUVは有力な選択肢となるだろう。
スズキ・イグニス 1.2ブースタージェット・ハイブリッド 4WD SZ5(英国仕様)のスペック
価格:1万7499ポンド(237万円)
全長:3700mm
全幅:1690mm
全高:1605mm
最高速度:165km/h
0-100km/h加速:12.8秒
燃費:18.4km/L
CO2排出量:123g/km
車両重量:940kg
パワートレイン:直列4気筒1197cc自然吸気+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:83ps/6000rpm
最大トルク:10.9kg-m/2800rpm
ギアボックス:5速マニュアル