日産GT-R トラック・パック
公開 : 2012.04.27 17:58 更新 : 2017.05.29 19:28
■どんなクルマ?
既に日産GT-Rの説明はいらないだろう。ポルシェ911でさえ後塵を拝しそうな75,000ポンド(980万円)の542bhpの心臓を持つ4WDマシンだ。
GT-Rトラック・パックは、V6ツインターボ・エンジンをはじめとするパワー・トレーン、そして4WDシステムこそスタンダード・モデルと同じだが、より固められたサスペンションとNISMOアロイホイール、そしてスープアップされたブレーキング・システムが装備される。また、リア・シートは外され(ホイールと合わせて20kgの軽量化を果たしている)、グリップの良いスポーツ・シートが装着される。
これらのスペシャル・トリムは10,000ポンド(130万円)のエクストラ・コストが掛かり、合計で84,480ポンド(1,035万円)の車両価格となる。
■どんな感じ?
サーキットの上でのトラック・パックは、スタンダード・モデルより面白いクルマに仕上がっている。GT-Rのスタビリティは抜群で、法外に複雑な4WDシステムはドライバーがGT-Rを信頼するにたる安定性をもたらしてくれる。あえて望まなければ、クルマを不安定な姿勢には持ち込めない。
正気でないスピードから繰り返し1.7トンのクルマを止めるブレーキは、カーボン・ブレーキでないとキャパシティを超えてしまうことを発見した技術者によってスープアップされた。日産によれば、最高100度も温度を減らすことができるという。その効果は絶大だ。
われわれはサーキットの上だけでの試乗だったので、その固められた足が通常の路上でどんな乗り心地になるのかはわからなかった。しかし、3種類の設定が可能なダンパーは、スタンダード・モデル同様に装着されている。しかし、標準的なGT-Rの足回りであっても乗り心地は固かったことから、それは改善されていることを望むのは無理な話だろう。
■「買い」か?
その法外なパフォーマンスとハンドリングを考えれば、この価格でさえGT-Rは間違いなくマイルストーンとなりえる1台だ。そのアップグレードされた装備によるパフォーマンスの向上は微妙ではあるが、重要なプレミアムである。サーキットで走ることにプライオリティを置くのであれば、純粋にすばらしいクルマである。
時折サーキットで走らせるクルマとして考えれば、80,000ポンド(1,045万円)のGT-Rの魅力は、決して他のクルマでは打ち負かすことはできない。そして、よりサーキット走行を楽しむためには10,000ポンド(130万円)を払えばいいだけなのだ。
(ヴィッキー・パロット)
日産GT-Rトラック・パック
価格 | 84.480ポンド(1,035万円) |
最高速度 | 315km/h |
0-100km/h加速 | 2.8秒 |
燃費 | 8.5km/l |
Co2排出量 | 275g/km |
乾燥重量 | 1740kg |
エンジン | V6ツインターボ3799cc |
最高出力 | 542bhp/6400rpm |
最大トルク | 86,1kg-m/3200rpm-5800rp, |
ギアボックス | 6速デュアル・クラッチ |