【価格/スペック/デザインは?】新型BMW M3/M4、欧州で発表 歴史とともに紹介
公開 : 2020.09.24 22:33
エンジンとパフォーマンス
メルセデスAMG C 63のライバルとなる両車は、アルミスチールとコンポジットのボディに、新開発の3.0L 直列6気筒ツインターボエンジン(コードネームS58)を搭載している。
この縦置きエンジンは2種類の出力が設定されており、標準的なM3とM4モデルでは493ps、M3コンペティションとM4コンペティションでは510psを発揮する。それぞれ先代のS55ユニットと比較して52psと56ps向上している。
さらに、M3コンペティションとM4コンペティションの510psは、2018年に発売されたM3 CSとM4 CSから48ps増加させたものだ。
車両重量が1730kgであることから、M3コンペティションは1トンあたり303psのパワーウェイトレシオを実現。一方、5kg軽量化されたM4コンペティションは、1トンあたり304psを達成している。
参考までに、ライバルであるAMGの4.0L V8ターボエンジンは、標準のC 63で475ps、C 63 Sで510psを発揮する。セダンの車両重量は1730kgで同じだ。
M3とM4は、高性能SUVのX3 MとX4 Mに続いて、S58エンジンを搭載した3番目、4番目のBMWである。
可変バルブタイミング機能のバルベトロニックや、可変カムシャフトタイミング機構のダブル・ヴァノスなど、基本的なアーキテクチャーは先代のS55と共有しているが、複数の新要素が追加されている。
変更点としては、ストロークを90mmに微増し、掃引量を14cc増加させて2993ccとしたことが挙げられる。
また、ターボチャージャーの改良、最高350barの圧力で作動する燃料噴射システム、排出ガス削減のためのガソリン・パーティキュレート・フィルター(GPF)なども採用されている。
最大トルクは56.1kg-mで先代と同じだが、2650rpm-6130rpmの回転域を800rpm上げられている。コンペティション・モデルでは、2750rpm-5500rpmで10kg-m増加して64.8kg-mとなっている。新型エンジンは旧型よりもわずかに低い7200rpmまで回転を上げることが可能だ。
こうした性能向上により、シャープな加速を実現した。0-100km/h加速が標準モデルで4.2秒(0.2秒短縮)、コンペティションで3.9秒(0.1秒短縮)となっており、後者は旧型のM3 CSとM4 CSのタイムと同じだという。
最高速度は250km/hに制限されているが、購入時にドライバーズ・パッケージを指定することで、パフォーマンスタイヤとの組み合わせにより290km/hまで上昇させることができる。
標準モデルには、このクラスでは珍しくなった6速MTが引き続き設定される。
一方、コンペティション・モデルには、先代モデルで採用されていた7速デュアルクラッチを廃止し、BMW Mのソフトウェア・プログラム「Drivelogic」を搭載した8速トルク・コンバーターが新たに採用されている。
標準モデルは、電子制御アクティブMディファレンシャルを備えた後輪駆動で、コンペティション・モデルには、2020年半ばからBMWの完全可変M xドライブシステムが採用される。両モデルに四輪駆動が採用されるのは初めてとなる。
走行モードはM5と同様に、4WD、4WDスポーツ、ダイナミック・スタビリティ・コントロール・システムをオフにした2WDの3つが用意されている。後者は、パワーの大部分を後輪に集中させる。