【過小評価の英国MRスポーツ】 MGF/MG TF 英国版クラシック・ガイド 掘り出し物も

公開 : 2020.10.10 07:20  更新 : 2020.12.08 08:38

MGF/MG TFの中古車 購入時の注意点

状態の良いMGFは、ハンドリングと乗り心地とが見事にバランスしている。MG TFになるとやや引き締められ、シャープな操縦性を得ているが、それでも快適だ。

すべてのブッシュ類やボールジョイントは、早くて4万km、もっても12万kmで摩耗する。ショックアブソーバーと一緒に、予め交換する費用は見ておきたい。最高の運転を楽しむために。

MGF/MG TF(1995年〜2012年/英国仕様)
MGF/MG TF(1995年〜2012年/英国仕様)

MGFには、グレード名を記したエンブレムが付いていない。調べるには、エンジン番号などを照合する必要がある。

Kシリーズ・エンジンは、素晴らしいユニット。しかし、ヘッドガスケットというアキレス腱もある。ディップスティックを抜いて、クーラントがエンジンオイルに混ざり、乳化していないか確かめたい。

怪しい場合はフードのクリップを外し、シェルフカーペットを取り、エンジンカバーのボルトを抜いて、フィラーキャップ裏側の状態を目視するといい。すべてのエンジンで起きるわけではない。

強化ガスケットなどを用いて正しく修理されていれば、再発はほぼない。ある程度の知識があれば、自分で行うことも可能だろう。

タイミングベルトは9万6000kmごとか、5年での交換が望ましい。ちゃんと整備していれば、30万kmくらいは走れる。

購入前には、ボディ下側のサビや、ラジエターやヒーター周りのクーラントパイプの状態を確認する。マニフォールド・インレットからの漏れも確かめたい。

不具合を起こしやすいポイント

ボディ

初期のMGFなら15年、TFでは10年、フェイスリフト後で12年、LE500では7年程度で錆びる。確認は忘れずに。

エンジン

エンジンを目視するには、フードのクリップを外し、エンジンカバーを取る必要がある。Kシリーズ・ユニットはガスケットが痛みやすく、クーラントが漏れるとヘッドが歪むことがある。

MGF/MG TF(1995年〜2012年/英国仕様)
MGF/MG TF(1995年〜2012年/英国仕様)

エンジンオイルにクーラントが混ざり白く濁っていないか、オーバーヒートの跡はないか確認する。ラジエターの内圧力や、ヒーターの動作も確かめたい。排気ガスの状態では、車検に通らない場合がある。

サスペンションとホイール

ブッシュ類とボールジョイント、ベアリングやダンパーは消耗品。ハイドラガスの場合、圧力の状態も確認する。ガスの補充は可能。

ウイッシュボーンやサブフレーム、マウント部分の腐食にも注意したい。アルミ・ホイールも腐食しやすい。

ブレーキとステアリング

ディスクのサビや、ハンドブレーキの効きの弱さは、良く起きる不具合。電動パワーステアリングの調子も確かめておく。

電気系統

エンジン始動時にすべての警告灯が一度灯り、消えることを確認する。ヘッドライトの照度不足で、車検に引っかかることも。

インテリアとソフトトップ

快適なシートはクロスのほか、ハーフレザーやフルレザーが用意されていた。サイドサポートの摩耗などを確かめる。初期のクルマでは雨漏りし、シートが濡れることがある。

ソフトトップは、縫い目付近から傷んでくる。実際に動かして、気密性を確かめる。リアウインドウは、ガラス製に交換できる。ハードトップも、探せば出てくる。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事