【待ちに待った最新型】トヨタGRスープラ(1)長期テスト 新ヒーローの誕生か
公開 : 2020.10.03 11:50 更新 : 2021.08.05 08:08
BMWと共同開発のA90スープラ
待つこと2年、AUTOCAR英国編集部にもA90型の最新GRスープラがやって来た。A80スープラが現役だった頃、筆者は免許もない10代。新しいスープラを迎えられただけで、1つの達成感すらある。
ボディカラーは、鮮やかなプロミネンス・レッド。トリムグレードはプロと呼ばれるもので、レザー内装にJBL製のサウンドシステム、ヘッドアップ・ディスプレイとワイヤレス充電機能が付いている。
英国価格は、5万4960ポンド(747万円)。この価格帯には強敵が多い。アルピーヌA110にBMW M2、ポルシェ718ケイマン。そして、BMW Z4 M40iも選べる。
利益が見込めなければ、トヨタ・スープラは誕生しなかった。計画は当初からBMWと共同で進められ、Z4とスープラが並行して開発されていたことは、AUTOCARの読者ならご存知だろう。
エンジンとシャシー、電気系統を共有している点は大きい。ほぼ双子といってもいい。主要部品の多くはドイツ側の供給となっている。トヨタ・スープラは、一体どんな性格に仕上がっているのだろうか。
少なくとも、BMW Z4と直接ぶつかることはない。これまでの試乗で確認できている。
第一印象として、デザインはドイツ的でもない。A80型のようにボディには曲面が多用され、現代的に再解釈されている。ハイカラな雰囲気は、日本車的だ。
ロンドンのマジックアワーで見るスープラは、見事。街路灯と日没直後の光が映し出すボディには、素晴らしい稜線が浮かび上がる。フォトグラファーは、スタジオで照明を当てたようだ、と話すほど。
名車と近似するボディ・プロポーション
BMWやポルシェなど、ライバルは多彩だが、トヨタも負けてはいない。フロントエンジン・リアドライブ、ロングノーズの2シータークーペで、車重も軽い。前後の重量配分も理想的なものに近い。
エンジンは3.0Lの直列6気筒で、最高出力は339ps。電子制御のLSDを備え、ホイールは19インチ。タイヤはミシュラン・パイロットスポーツを履く。
ホイールベースと前後のトレッド幅との比率は、フロントエンジンの名車とも近い。フェラーリ575マラネロなど。
加えてGRスープラは、ボディサイズも丁度いい。全長はケイマンと同値で、全幅は50mmほど広い。ホイールベースは、GT86より短いことも驚きだ。
すべての要素は、熱中した運転だけでなく、幅広く得点を稼げる可能性を示している。長期テストでは、日常的な利用も含めて、スープラを多角的に評価していきたい。
待ちに待ったトヨタ・スープラ。復活したヒーローの名前に相応しい内容を備えているのだろうか。今から楽しみだ。