【意外と知られていないことも】新型フェアレディZプロトタイプ発表 歴代フェアレディZを振り返ってみた

公開 : 2020.09.25 05:50  更新 : 2021.10.13 12:20

「西部警察」で知られる2代目

日本仕様の2代目モデルは先代から引き続き採用された直列6気筒2Lエンジンのほか、輸出仕様にのみ設定されていた2.8Lエンジンも正式にラインナップされることになった。

また、先代はモデル途中で追加された2by2は当初から選ぶことができるようになっている。

フェアレディ280Z-T 2by2(1981年)
フェアレディ280Z-T 2by2(1981年)    日産

1980年には国産車としては初採用となるTバー・ルーフ車を追加設定。このボディを使って生まれた「西部警察」の劇中車である「スーパーZ」はアラフォー、アラフィフ世代にとって鮮烈な印象となっていることだろう。

81年には北米市場向けに2.8Lターボエンジンが追加されたが、日本仕様には設定されず、82年10月にようやく2Lターボが追加されるに留まっている。

V型6気筒エンジン初搭載3代目

83年に登場した3代目モデルは、より高いパフォーマンスを実現するために欧州製のスポーツカーをライバルとして開発が進められた。

その結果、フェアレディZとしては初めてV6エンジンを採用し、2Lと3Lという2つの排気量が用意され、そのどちらにもターボが組み合わされることとなった。

フェアレディZ 2by2 ZG Tバールーフ(1985年)
フェアレディZ 2by2 ZG Tバールーフ(1985年)    日産

直6に比べて全長の短いV6を搭載したことでフロントオーバーハングの短縮が実現でき、ハイパフォーマンススポーツカーらしい動力性能の実現に拍車をかけることとなる。

なお、日本仕様には85年に直6ターボとなるRB20DETエンジンも追加された。

ビッグマイナーチェンジした3代目

本格的なスポーツカーとなった3代目Zは86年にビッグマイナーチェンジを果たした。

日産の北米デザインセンターが手掛けたエクステリアとなった。

3Lモデルはドア以外のパネルがすべて一新されるほどの変更を受け、V6ツインカムの自然吸気エンジンを搭載する「300ZR」も追加された。

平成に入って初のフルモデルチェンジ

平成に入って初のフルモデルチェンジを果たした4代目は一足先にメイン市場である北米でデビューし、2か月遅れで日本に登場することとなった。

搭載されるエンジンは先代の後期に搭載されたV6ツインカムのVG30DE型と、そのツインターボ仕様となるVG30DETT型の2種類。

300ZX 2シーター Tバールーフ(1992年)
300ZX 2シーター Tバールーフ(1992年)    日産

先にデビューしていた北米仕様ではターボモデルは300psを発生していたが、当時の運輸省からの物言いで日本仕様は280psとなった。

これがいわゆる馬力規制の始まりとなったのである。

ボディタイプは先代から継続して2シーターと2by2の2種類、そしてTバールーフ仕様もしっかり継続設定されていた。

そして92年にはフェアレディZとしては初のオープンモデルである「コンバーチブル」が追加。バブル期に企画されたモデルということもあり、かなり手の込んだ作りとなっていた。

しかし、90年代後半になると、メイン市場であるアメリカでSUVブームが過熱するとともに円高によって現地の車両価格が高騰。

車両保険の高騰なども相まって96年モデルをもって販売を終了。

日本では2000年まで生産が続けられたが、一旦日産のラインナップから姿を消すことになった。

記事に関わった人々

  • 小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。

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