【輸入車ランキングに異変】カクカクしたジープ「ラングラー」がトップ20入り なぜ増えた? 鍵は価格/リセール

公開 : 2020.09.26 05:50  更新 : 2021.10.22 10:14

SUV人気の高まり 原点回帰の気運

ラングラーが売れ行きを伸ばした理由について、ジープ・ブランドの販売店に尋ねると以下のような返答であった。

「人気の高いSUVといえば、輸入車ではメルセデス・ベンツGLABMW X1、日本車ならハリアーC-HRです」

輸入車ではメルセデス・ベンツGLAやBMW X1、日本車ならハリアーやC-HRからジープ・ラングラーに乗り替えるひともいるという。
輸入車ではメルセデス・ベンツGLAやBMW X1、日本車ならハリアーやC-HRからジープ・ラングラーに乗り替えるひともいるという。    BMW

「いずれも使い勝手の優れた都市型SUVが売れ筋です。このニーズが一段落して、野性的なジープ・ラングラーが注目されています」

「もともとジープ・ブランドは悪路指向が強いですが、特にラングラーは、厳しい路面状況でも走破できます」

もともとSUVは、第二次世界大戦で使われたミリタリージープのような悪路向けの4WDを起源とする。

それが1990年代中盤以降になると、大径タイヤなど悪路を走るための機能が一種のファッションになって都会的な方向へ発展した。

そこに最近になって、再び原点に回帰する傾向が生まれてきた。国産SUVを見ても、後輪駆動ベースの4WDを備えた生粋のオフロードSUVとされるジムニー、前輪駆動ベースながら悪路走破力を高めたRAV4、外観が野性的なデザインのライズ&ロッキーなどが人気を高めている。

今はまさにSUVがブームで、軽自動車のハスラーやタフトも含めて、多種多様なSUVが登場。

だからこそ、原点回帰や本物指向が生じてジープ・ラングラーが注目されるようになった。

さまざまなモデルから乗り替えがある

売れ行きを伸ばすジープ・ラングラーは、どのようなユーザーによって購入されているのか。この点もジープの販売店に尋ねてみた。

「ジープ・ラングラーには、さまざまな車種から乗り替えています。輸入車ならばメルセデス・ベンツCクラスやBMW 3シリーズのようなセダン、国産でしたらトヨタ・ハリアーやトヨタ・ランドクルーザーから乗り替えるお客様もおられます」

新型になったメルセデス・ベンツGクラスを検討したが、価格が高く、ラングラーに注目することもあるという。
新型になったメルセデス・ベンツGクラスを検討したが、価格が高く、ラングラーに注目することもあるという。    メルセデス・ベンツ

「新型になったメルセデス・ベンツGクラスを検討したが、価格が高く、ラングラーに注目したお客様もおられます」

たしかにメルセデス・ベンツGクラスは価格が高い。直列6気筒3Lクリーンディーゼルターボを搭載するG 350dでも1237万円で、高性能なAMG G 63になると2194万円だ。

これに比べるとラングラーは5ドアボディの「アンリミテッド・スポーツ」が511万円、最上級の「アンリミテッド・ルビコン」でも612万円だ。

ジープ・ラングラーの価格はメルセデス・ベンツGクラスに比べると半額以下に収まる。

このほかにもジープ・ラングラーが人気を伸ばした理由はあるのだろうか? 聞いてみたところ、リセールバリューに関係する答えを手にすることができた。

記事に関わった人々

  • 渡辺陽一郎

    Yoichiro Watanabe

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。買い得グレードを見極める執筆も多く、吉野屋などに入った時も、どのセットメニューが割安か、無意識に計算してしまう。

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