【AMG由来のV8を生で】アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスターへ試乗
公開 : 2020.10.04 17:50
ルーフのないオープンエアで楽しむ、AMG由来のV8サウンド。アストン マーティンで最もスポーツ度の高いクーペに迫る動的性能を維持し、エンターテインメント性も獲得したロードスターです。英国編集部が評価しました。
もくじ
ーAMG由来のV8にトランスアクスル・レイアウト
ーロードスターをクーペのように走らせる
ーしなやかな乗り心地と優れたハンドリング
ートラディショナルなフロントグリル
ーアストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター(英国仕様)のスペック
AMG由来のV8にトランスアクスル・レイアウト
エンターテインメント性を高めた、アストン マーティンが追加された。モデルレンジの中でも、最もスポーツ濃度の高いヴァンテージ。そこへ、オープントップのボディが与えられた。
スポーツ濃度が薄いSUV、アストン マーティンDBXと同時のタイミング。SUV人気の影響は、アストン マーティンにも押し寄せている。しかし、スポーツカーも忘れないで欲しい。2台は、好対照といえるだろう。
新しいヴァンテージ・ロードスターは、期待通りの内容を得ている。基本的にクーペ版と変わらない。プラットフォームもメカニズムも、上質なインテリアも、筆者のお気に入りのまま。
エンジンは、メルセデスAMG由来の4.0L V8ツインターボ。アストン マーティンによるチューニングを受け、最高出力は510psを生み出す。
トランスミッションは8速ATで、トランスアクスル・レイアウト。電子制御デフを介して後輪を駆動する。オプションで7速MTも選べる。
もちろんオープントップ化に伴い、電動のソフトトップを獲得。クーペボディのヴァンテージへ、60kgの車重が追加されている。
前後の重量配分は、アルミニウム構造のおかげで、クーペボディでは49:51。ロードスターでは48:52と、リアへ1%移っている。ルーフシステムの影響で、重心位置もやや高くなった。
ロードスターをクーペのように走らせる
その変化に対応するため、ダンパーとスプリングレートが再調整を受け、リアのロール剛性を高めてある。リア側ではサブフレーム・マウントも新しくなり、ステアリングはマイルド方向へマッピングし直された。
ロードスターをクーペのように走らせることを目的としていたのなら、アストン マーティンは見事に成し遂げている。わずかにボディ剛性は落ちているけれど。
ヴァンテージは、最も攻撃的な肉食動物的なモデルだと、アストン マーティンは表現する。しかし、猛烈な加速をするポルシェ911ターボや、ワイルドさを前面に出すジャガーFタイプなども、そこへ並ぶと思う。
あるいは、ミドシップのマクラーレン・スポーツシリーズと比較して、表現しているのかもしれない。アストン マーティン・ヴァンテージは、そこまでアグレッシブではない。
インテリアには、見事なレザーがふんだんに用いられている。同時に、あまり美しくない、プラスティック製パーツも目に入ってくる。それでもグランドツアラー的な、スポーツカーの雰囲気に溢れている。
アストン マーティンは、ギアの選択をボダンで行う。トランスミッション・トンネルの、ダッシュボード寄りの高い位置にある。
メルセデス・ベンツ由来のインフォテインメント・システム用コントローラーが、操作しやすい場所にレイアウトできている。ほかのメーカーも、真似していいレイアウトだと筆者は思う。