【AMG由来のV8を生で】アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスターへ試乗
公開 : 2020.10.04 17:50
しなやかな乗り心地と優れたハンドリング
心地良い運転席に座ると、ボンネットは前方の遠い位置にある。窓の位置は高く、実際よりボディが大きく感じられる。
動的性能は素晴らしい。クーペボディのヴァンテージのように、まとまりがあり、惹き込まれてしまう。
69.6kg-mという強大なトルクを2000rpmから生み出す、屈強なエンジンがフロントに収まる。グランドツアラー的な雰囲気が強い。特に角の尖った印象もない。クルマの中心で、心地よく運転できる。
乗り心地は落ち着きがあり、3段階のモードが用意されているが、どれも充分にしなやか。最も硬いモードでも、英国の滑らかな路面でなら、許容範囲といえる優しさがある。
ステアリングの操舵感は自然で、重み付けも違和感がない。旋回時のスピードも丁度いい。ロックトゥロックは、2.4回転と比較的クイック。
ハンドリングも素晴らしい。安心感のあるレスポンスで、コーナーに飛び込んでいける。幅広いパワーバンドを活かせば、リアタイヤをわずかにスライドさせるか、大きく降り出すかも思いのままだ。
ヴァンテージ・ロードスターでソフトトップを開閉する時間は、どちらも7秒未満と、驚くほど素早い。しかも49km/hまでの速度なら、受け付けてくれる。
公表されているロードスターの乾燥重量は1628kgと軽いが、いわゆる車重は1780kgとなるだろう。クーペのヴァンテージは、1720kgとなっている。
トラディショナルなフロントグリル
新しいヴァンテージ・ロードスターには、ワイドでシンプルになった新しいフロントグリルが与えられている。アストン マーティンがベーングリルと呼ぶ、クラシカルなデザインのものだ。
バンパー周りの造形も、一緒に新しくなっている。アストン マーティンとしては、小さくないコストがかかっているはず。
筆者の場合は、以前までのモータースポーツ風の挑戦的な造形に見慣れている。しかしアストン マーティンをトラディショナルな雰囲気で乗りたいなら、アヒル口も悪くないデザインだろう。
フロントグリルの雰囲気は、予測の付きやすいヴァンテージの挙動とも、良く合っていると思う。
アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター(英国仕様)のスペック
価格:12万6950ポンド(1726万円)
全長:4465mm(クーペ)
全幅:1942mm(クーペ)
全高:1273mm(クーペ)
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:8.6km/L
CO2排出量:262g/km
乾燥重量:1628kg
パワートレイン:V型8気筒3982ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/6000rpm
最大トルク:69.6kg-m/2000-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック