【マイナーチェンジでPHEV版も進化】ポルシェ・パナメーラ4S Eハイブリッドへ試乗

公開 : 2020.10.06 10:20  更新 : 2020.10.26 12:50

マイナーチェンジ前からの大きな進化

今回の試乗では、高速道路や郊外の流れの速い道などを中心に、常に活発に130kmほどを運転した。それで得られた平均燃費は27.6km/L。パフォーマンスを考えれば、すこぶる良い。

もちろん、そのままエジンバラなど遠方にドライブを続ければ、燃費は大幅に悪化するはず。しかし長距離ドライブなら、積極的な運転を長時間は続けないだろう。

ポルシェ・パナメーラ4S Eハイブリッド(欧州仕様)
ポルシェパナメーラ4S Eハイブリッド(欧州仕様)

電動化技術を採用する多くのモデルと同様、パナメーラ4S Eハイブリッドを、V8エンジンのGTSと同様に運転したいとも思わないはず。回生ブレーキを活用して燃料を節約し、Eチャージ・モードでバッテリーをエンジンで充電しながら知的に運転することを、楽しめる。

従来までのドライビングの楽しさとは違う。しかし、これまでの自動車より、大幅に消費する燃料を少なくできる。市街地に入れば、電気モーターだけで静かに通過できる。

筆者が強く感じたことは、マイナーチェンジ前のPHEV版より飛躍的に進化しているということ。サウンドやレスポンス、パフォーマンスは、最新版の方が明らかに優れている。

ドライビング・モードの特性も、とても良く煮詰められている。特に、回生ブレーキを通じて得られる充電量と制動力の制御は、大きく進んだ印象だ。摩擦ブレーキも、ハイブリッドではないパナメーラ並みに、良好な感触を得ている。

未来を見越した選択肢

税制面で有利ということもあり、英国では会社貸与車両として、多くのPHEV版パナメーラが選ばれている。個人で選ぶ場合でもPHEV版の効率性の高さや、エンジンと電気モーターとを協働させた運転の楽しさは、魅力の1つとなるだろう。

V6ツインターボ・エンジンのサウンドも、運転する気持ちを掻き立ててくれるものだと思う。V8ほどではないにしろ。

ポルシェ・パナメーラ4S Eハイブリッド(欧州仕様)
ポルシェ・パナメーラ4S Eハイブリッド(欧州仕様)

将来的なクルマの価値でも、4S Eハイブリッドは有利だと思われる。純粋なエンジン版は、英国では今後販売禁止となる予定があり、増税などが施行される可能性もある。この流れが、中古車価格を大きく動かすはず。

パナメーラ4S Eハイブリッドなら、ドライビングの楽しさや長距離ドライブの容易さは、従来のクルマに近い。残存価値でも有利となるであろうPHEV版は、未来を見越した選択肢となりそうだ。

ポルシェ・パナメーラ4S Eハイブリッド(欧州仕様)のスペック

価格:10万1690ポンド(1362万円)
全長:5049mm
全幅:1937mm
全高:1423mm
最高速度:297km/h
0-100km/h加速:3.7秒
燃費:33.3-45.5km/L
CO2排出量:51-64g/km
乾燥重量:−
パワートレイン:V型6気筒2894ccツイン・ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:17.9kWh
航続距離:54km
最高出力:559ps(システム総合)/135ps(電気モーター)
最大トルク:−
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック

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