【実車で感じるGT-Rとの差】日産フェアレディZ新型 あくまでもスポーツカー 気になるのは「パワー感」

公開 : 2020.09.30 18:20

新型Zと初対面 正真正銘Zと言える

そんなR35 GT-Rとの思い出を後にし、日産本社ギャラリーから日産パビリオンに向かった。

日産関係者らがオンライン記者会見で説明していた通り、フェアレディZプロトタイプの良さは実車で引き立つ。日産のZに対する丁寧な造り込みを感じる。

フェアレディZプロトタイプの良さは実車で引き立つと筆者。
フェアレディZプロトタイプの良さは実車で引き立つと筆者。    日産

ウエスト部分のキャラクターラインが細いことなどが影響して、画像では面の張りが伝わりにくい。

全体フォルムとしては、やはり2シータースポーツカーである。その気配は先に日産ギャラリーで乗り込んだZ34より、さらに強いと直感した。

フェアレディZプロトタイプの隣に、1972年製の240G(初代S30)が展示されており、これら2台をじっくり見比べてみた。

大きさ感でいえば、240Gはかなり小さく見える。展示されたスペックは、全長4305mm×全幅1690mm×全高1285mm。

一方の新Zは、4382mm×1850mm×1310mmで、確かにフロント周りやサイドビューに「S30っぽさ」はあるように感じるが、やはり「別物」だと思う。

日産関係者らは、オンライン記者会見で「オマージュ」という表現を注意深く使っていたが、確かに新Zは単なるオマージュではないと、プロトタイプ実車を見てそう感じる。

初代S30のみならず、歴代Zのテイストを各所に散りばめて、という感じでもない。

それでも、実車を目前にすると「これが新型Zだ」とユーザーも言い切れる。

そんなクルマである。

新Z ドライバーの感性に訴えるものは

さて、新Zで気になるのはパワー感だ。

パワー感とは、単なるエンジン最高出力値・最大トルク値ではなく、ドライバーの感性に訴えるものだ。

VR38DETTを軸としたGT-Rのパワートレインの全容。
VR38DETTを軸としたGT-Rのパワートレインの全容。    桃田健史

今回、日産本社ギャラリーで、R35 GT-Rの隣にはVR38DETTを軸としたGT-Rのパワートレインの全容が技術展示されていた。

なんとも力強く、豪快で、重厚で、頼もしい。改めて、GT-Rにおける駆動系の凄みを認識した。

一方、Z34の隣には、搭載ユニットであるVQ37VHRのディスプレイがある。エンジン・ミッション越しに、Z34を見ながら、2シータースポーツカーとしてのパワー感のバランスの良さを思い出した。

それがフェアレディZプロトタイプになると、展示表示には、エンジン形式:V6ツインターボ、トランスミッション:6速マニュアルトランスミッションという記載のみ。

海外では、新Zの最高出力は400ps級といった報道を目にするが、そのパワー感をこのボディスタイルで、そして実走して、ドライバーはどう感じるのか?

スポーツカーという乗り物で最も重要なことは、作り手の、そして乗り手の感性である。

R35 GT-R、Z34、S30、そして新Z。

日産が誇るスーパースポーツとスポーツカー各モデルの実車をなだめながら、しばしの間、新Zの妄想ドライビングを楽しんだ。

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