【詳細データテスト】トヨタ ・ヤリス 内外装ともデザイン個性的 操縦性/乗り心地、進歩 17インチは避けたい
公開 : 2020.10.04 11:50 更新 : 2021.01.28 16:42
結論 ★★★★★★★★☆☆
先代ヤリスの登場時に批判されたのは、気負わない感じとイマジネーションの欠如だった。しかし、今回のテスト結果を踏まえれば、トヨタはどちらもふたたび見出すことができたように思える。
たしかに、これより走らせてうれしくなるコンパクトカーはある。少なくとも、フォードやマツダのそれがそうだ。そして、ライバルたち、それも主にフランス生まれのそれらが、見栄えで劣るという意見は多くないだろう。
それでも、ハイブリッドのみが英国に上陸した4代目ヤリスは、燃費に関しては競合車たちを寄せ付けない。また、先代モデルと比べれば、走りはよく、ルックスは楽しげで、キャビンは個性的になった。1999年登場の初代がそうだったように、この新型は集めるであろう注目に応えるはずだ。
しかし、すべてに満足できるわけではない。ユーザーは、慎重にグレード選びをしなくてはならない。というのも、大径タイヤとハードなサスペンションを装備する仕様は、乗り心地から流れるようになめらかな動きが失われるからだ。
さらに気になるのがハイブリッドのパワートレイン。現実的なペースでの走りはよくなったが、やはりエンスージアスト向けの物件ではない。
また、ホイールベースが伸びたことを考えると、後席や荷室の広さはもう少しほしかった。そうはいっても、このキャラのたった新型ヤリスは、成功した初代への原点回帰を感じさせる仕上がりになっている。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィス
走りも全般的なイメージも引き上げた、トヨタの仕事ぶりはみごとだ。個人的にこの新たなルックスは好きだし、ドライビングもホンダ・フィットのハイブリッドよりはるかにいい。
リチャード・レーン
ミルブルックのテストコース近くに、ガラスのようにスムースな路面の高速S字がある。ハンドリングバランスを確かめるには絶好の場所だ。そこでのヤリスの走りっぷりには驚かされた。GRや、さらに高性能だとウワサのGRMNは、すばらしいものになることだろう。
オプション追加のアドバイス
以前に試乗した経験からすれば、ハードなサスペンションと17インチのホイールを装備する仕様は避けたほうがいいといえる。われわれなら16インチ仕様を選ぶ。
改善してほしいポイント
・コンパクトカーの遮音性は、常に改善の余地があるポイントだ。ヤリスの場合、とくにエンジン負荷が高まった際にそう思うことになる。
・トヨタのサプライヤーは、優秀なインフォテインメントシステムを供給できずにいる。おそらく、外に目を向けるべきときだろう。Androidのナビがいいのではないだろうか。