【詳細データテスト】トヨタ ・ヤリス 内外装ともデザイン個性的 操縦性/乗り心地、進歩 17インチは避けたい
公開 : 2020.10.04 11:50 更新 : 2021.01.28 16:42
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
この数年、自動車業界はフル電動化の動きを加速しており、ハイブリッドしか用意しないヤリスは、このクラスの少数派となりつつある。ライバルは、ホンダ・フィットやルノー・クリオのフルハイブリッド版だ。
フルEVのコンパクトカーが一般化しつつある中でも、ハイブリッド技術を主導してきたトヨタが、ガソリン+モーターにこだわるのは意外ではない。しかも、広範囲にわたって磨きをかけ、改善を図ってきた。
この新型ヤリスのハイブリッドパワートレインは、新開発の1.5L直列3気筒がベース。アトキンソンサイクルの自然吸気で、カローラやC-HRの4気筒との関連度が高いユニットだ。
ジェネレーターを兼ねる電気モーターは2基で、CVT的な遊星歯車式動力分割機構とともに、より小型化された新型トランスアクスル式トランスミッションを形成する。178Vの駆動用リチウムイオンバッテリーも新型で、モーター/ジェネレーターはその電力をあるときは消費し、またあるときは補充する。
システム総合出力は先代比16%アップの116psで、前輪を駆動。英国に導入されるヤリスは、この1.5Lハイブリッドと、ホットモデルのGRのみとなる。
トヨタにとって、新型ヤリスは新開発のモジュラープラットフォームであるTNGA-Bを用いる最初のグローバルモデル。パッケージングのみならず、スタイリングでも大幅な進歩がみられる。先代より全長は55mm短く、全高は40mm低い。2代目と3代目のルックスには小型MPVを思わせるところがあったが、それは払拭された。
いっぽうで、ホイールベースは50mm長くなり、トレッドは57mm拡幅。これらの寸法の拡大により、歴代ヤリスの売りだった小さいクルマに大きな室内を今回も実現している。シャシー的には、運動性能の飛躍的な向上が見込めるところだ。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームという、このクラスでは一般的なセットアップ。テスト車のデザインというグレードは中の下といったところで、ホイールは16インチだが、17インチとハードなサスペンションを組み合わせたスポーティな仕様も用意されている。