【詳細データテスト】トヨタ ・ヤリス 内外装ともデザイン個性的 操縦性/乗り心地、進歩 17インチは避けたい
公開 : 2020.10.04 11:50 更新 : 2021.01.28 16:42
内装 ★★★★★★★★☆☆
トヨタ曰く、ダッシュボードを低くし、Aピラーをドライバー側へ引き寄せたことで、視認性を改善しているとのこと。前方視界に関して、その効果は大きくないように思えたが、室内の広さや熟成度はたしかに感じられた。少なくとも、着座位置が21mm低くなった前席にいる限りは。
また、ステアリングコラムはチルトとテレスコピック双方の調節機構が備わっているので、快適でサポート性に優れたドライビングポジションは容易に見つけられる。革巻きステアリングホイールはじつに握り心地がよく、GRスープラに装着されていてもおかしくないとさえ思わせるアイテムだ。
デザイン的には、かつてのヤリスに見受けられたような遊び心が戻ってきた。双眼鏡のようなメーターパネルと、曲線が美しいダッシュボードには、そのことが明らかだ。それだけでなく、上質感も与えられている。
チープな手触りのドアハンドルなど、硬いプラスティックも目につくが、興味を引く新たなファブリックやソフトなプラスティック、ラバー風の表面処理が、目に付くところだけでなく小物入れの中にまで用いられている。
ダッシュボードやドアパネルの湾曲部も楽しげで、生真面目な傾向の欧州車との差別化ポイントにもなっている。最近はフランスの各メーカーが勢いを取り戻しているが、それにつけても個性的だ。
総じていえば、質感の面も改善されているが、これは上位モデルのカローラなどにもいえることだ。フォルクスワーゲン・ポロやミニを脅かすほどではないだろうが、フォード・フィエスタあたりのオーナーならうらやましく思うだろう。
だが、内外装とも進歩著しいとはいっても、後席と荷室はそこまでではない。その点、ポロやクリオはかなりよくできているが、新型ヤリスの荷室は先代と比較して、数値的にわずかながら減少している。
それでも、高さ調整式の荷室フロアを装備したことはありがたい。容積を最大限使う必要がなければ、開口部の段差を小さくできるので、積み下ろしに便利だ。