【詳細データテスト】トヨタ ・ヤリス 内外装ともデザイン個性的 操縦性/乗り心地、進歩 17インチは避けたい

公開 : 2020.10.04 11:50  更新 : 2021.01.28 16:42

走り ★★★★★★★☆☆☆

トヨタのハイブリッドは常にクラス水準より優れた燃費をマークしてきたが、ドライバビリティがその犠牲になりがちだった。それは4代目ヤリスでも同様だ。

たしかに、新型1.5Lパラレルハイブリッドが負荷をかけてもこれまでよりナチュラルに感じられ、電気式CVTがこれまでよりゴムバンドのようなダルさを減らすよう開発されてはいる。チューニング変更とモーター出力アップもあって、一定回転走行で続く騒音も、払拭できないまでも、いくらかは減少している。

発進加速性能は1.0Lターボのフィエスタを上回るが、それはモーターによるところが大きいだろう。ペースが上がってエンジン主導になると、それほどパワフルには感じられないからだ。市街地では、その電力駆動が強みになる。
発進加速性能は1.0Lターボのフィエスタを上回るが、それはモーターによるところが大きいだろう。ペースが上がってエンジン主導になると、それほどパワフルには感じられないからだ。市街地では、その電力駆動が強みになる。    JOHN BRADSHAW

そうはいっても、このシステムがもっとも力を発揮するのは、軽~中程度のスロットル入力時で、自然吸気3気筒に求められる出力がそれほど大きくない場合だ。そういうことがあるとすれば、だが。

そのため、このヤリスが効果的に働くのは市街地を走るときだ。そこでは電気モーターが、使い勝手のいいシャープな発進と、リニアで力強い初期加速をもたらしてくれる。ピュアEVでおなじみのアレだ。

公式なアナウンスでは、低速時の80%は電力がカバーできるという。スロットルペダルを器用に操作できるようになれば、そのデータがもっともだと思えるようになるだろう。

しかしながら、開けた道に出ると、やはりナチュラルではないところがみられる。とくに、交通の流れをキープするより活発なペースになったときがそうだ。

先代のオーナーが、しばしば弱点として挙げたのが追い越し加速だった。その点では、パワーアップが改善に効果を発揮しているが、それでも慎重に行うことが必要となる。48-113km/h加速は、われわれの計測では8.8秒を要した。

実のところ、ハイブリッドのヤリスを手に入れようというユーザーにとって、パフォーマンスはトッププライオリティとはなりそうもない。それでも、発進加速テストの結果は上々だった。

テスト車は、フォードが誇る1.0Lエコブーストを積むフィエスタを、0-97km/h加速タイムで凌いだ。このスタートダッシュにおける小さな勝利が、電気モーターのなせる技であるのはまちがいなさそうだ。

というのも、エンジンが本格的に回りはじめ、ハイブリッドシステムのスイートスポットを外してしまうと、楽しくもなければ、取り立ててパワフルでもないのである。

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