【本格オフローダー対決】ディフェンダー x Gクラス x ラングラー オンとオフの1番は 前編
公開 : 2020.10.10 11:50 更新 : 2022.08.08 07:37
生まれ変わったランドローバー・ディフェンダー。一歩早く、ライバルのメルセデス・ベンツGクラスとジープ・ラングラーもモデルチェンジを果たしています。この3台をオンロードとオフロード、2つのシーンで対決させました。
モノコックボディを得たディフェンダー
夏の熱い風に、地面から砂埃が舞う。谷間に溜まっていた水はゆっくりと蒸発し、ひび割れた固い泥が姿を見せた。
砂混じりの風になびきながら、わずかな緑が日陰を作る。気温は31度を超えた。田園の広がる、英国中部のレスターシャー州。今日は、殺伐とした雰囲気が漂っている。
筆者の目の前には、起伏の激しいオフロードが広がる。アスファルト舗装はまったくない。ゴツゴツとした岩が露出した地面を受け入れられるのは、有能な四輪駆動モデルだけだろう。
今回は、地球上で最も過酷な状況に対応できる、本格的なオフローダーのベストを選びにやって来た。
覇権を争う1台は、新しいランドローバー・ディフェンダー。対するのはジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコンとメルセデス・ベンツGクラス。これ以上にタフなトリオは、揃えようがないと思う。
AUTOCARの読者ならご存知かとは思うが、この3台は新世代へと生まれ変わっている。特にディフェンダーは、新しいモノコックボディを採用。ラダーフレーム・シャシーやリジッドアクスル、やや狭い車内は、過去のものとなった。
どんな進化を得ているのか、興味深いポイントだ。オフロードでの評価は後半にお伝えするとして、まず先にオンロードと、日常的な利用環境での違いを確かめたい。
乗り降りしにくいGクラスとラングラー
ランドローバーの拠点、ゲイドンのエンジニアたちはセパレート・シャシー構造をやめ、一体のモノコック構造を採用した。サスペンションは独立懸架式へ一新している。そのメリットは、オフロード以上にバイパスや高速道路で活きてくるはず。
実際、ランドローバー・ディフェンダーは日常シーンでより使いやすく、快適なクルマに仕上がっている。多くの面で、Gクラスやラングラー以上といっていい。
詳しく見ていこう。大柄なSUVを運転するためには、まずクルマに乗り込まなければならない。
最も高い位置へ、身体を持ち上げる必要があるのはGクラス。身体を車内に入れる前に、クロームメッキがきれいなサイドステップに足をかける必要がある。キャブオーバーのトラックへ乗り込むように。
ディフェンダーとラングラーは、地面に立った状態から、そのまま車内へ身体を横に移動できる。ディフェンダーはエアサスペンションが標準装備で、アクセス・モードでは車高が下がる。おかげで少し、コンパクトにも見える。
ラングラーは、ほかの2台よりフロアが低い。比較的スリムなフォルムをしている。仮に幅の広いサイドシルがなければ、一番乗り降りがしやすいかもしれない。
しかし実際は、低いフェンスを乗り越えるように左足を持ち上げ、車内の奥に落とし込まなければいけない。運転席に座ってみると、見た目の予想より足元の空間は狭い。