【本格オフローダー対決】ディフェンダー x Gクラス x ラングラー オンとオフの1番は 後編
公開 : 2020.10.17 11:50 更新 : 2022.08.08 07:36
3台それぞれに異なる悪路での強み
ディフェンダーの場合、路面に合わせて自動的にセンターデフがロックされるため、スイッチはない。また、アクティブ・ロックデフをリア側に装備できるが、このクルマには付いていなかった。
そのかわり、ランドローバーのテレインレスポンス・システムを標準で装備する。スロットルとスタビリティ・コントロール、ESCを組み合わせ、走りを制御するものだ。
ロックデフとは違ったメリットがある。ディフェンダーではブレーキを個々のタイヤに掛けることで、デフをロックした時よりも多くのトルクを1本のタイヤに伝えることが可能。ドライバーがボタンを押して、選択する手間もなくなる。
路面状況を映し出せるカメラも付いていて、死角の障害物も発見しやすい。しかもラングラーやGクラスと違って、軽いステアリングは、操舵時に路面状態による引っ掛かりを感じることもない。
オフローダーとして3台を簡潔にいうなら、ジープ・ラングラーは趣味のクルマ。ディフェンダーは、クルマ任せで悪路を走ってくれる苦労知らずのクルマ。Gクラスは、能力的にその中間といえる。
今回の比較試乗で、最もタイヤの接地率が高かったのはラングラー。しかし、ボディ底面を擦る回数は一番多かった。どこかのタイヤが浮いても、トラクションが有効に掛かり、簡単に脱出できた。
ディフェンダーは、最もアンダーボディを擦らなかった。どこかのタイヤが浮き上がっても、ブレーキでトルクを制御するため、脱出速度は遅かった。
どれを選ぶかは、ドライバーの好みの問題
Gクラスは、ディフェンダーよりシャシーが地面に付く回数が多かったものの、トラクションの効きは常に安定していた。
この3台で、オフローダーのトップはどれか。それは、目前の荒野の状態による。しかし、複雑で長い区間を走らせるなら、ゴールまでの差はほとんどないはず。デフロックやウインチ、様々な手段で、結果的には走破してしまうだろう。
最終的には、好みの問題でもある。オフロードを純粋に楽しめる度量、操縦性、さらにルーフやドアを外せるという面白さ。筆者なら、ジープ・ラングラーを選ぶ。
しかし、Gクラスやディフェンダーのように、遠くまでのドライブを楽しみたいとも思わないけれど。
本格オフローダー3台のスペック
ランドローバー・ディフェンダー110 D240 S(英国仕様)のスペック
価格:5万2110ポンド(708万円)
全長:4758mm
全幅:1996mm
全高:1967mm
最高速度:188km/h
0-100km/h加速:9.1秒
燃費:10.5-11.2km/L
CO2排出量:234-251g/km
乾燥重量:2248kg
パワートレイン:直列4気筒1999ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:240ps/4000rpm
最大トルク:43.7kg-m/1400rpm
ギアボックス:8速オートマティック
ジープ・ラングラー・アンリミテッド2.2 マルチジェットII ルビコン(英国仕様)のスペック
価格:5万815ポンド(691万円)
全長:4882mm
全幅:1894mm
全高:1848mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:10.3秒
燃費:10.4km/L
CO2排出量:252g/km
乾燥重量:2047kg
パワートレイン:直列4気筒2143ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:200ps/3500rpm
最大トルク:45.8kg-m/2000rpm
ギアボックス:8速オートマティック
メルセデス・ベンツ G 350d AMGライン(英国仕様)のスペック
価格:9万6220ポンド(1308万円)
全長:4817mm
全幅:1931mm
全高:1969mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:7.4秒
燃費:8.9-9.2km/L
CO2排出量:288g/km
乾燥重量:2378kg
パワートレイン:直列6気筒2925ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:286ps/3400-4600rpm
最大トルク:61.1kg-m/1200-3200rpm
ギアボックス:9速オートマティック