セアト・イビーサST 1.4SE

公開 : 2012.05.02 10:56  更新 : 2017.05.29 18:44

■どんなクルマ?

今月、英国で発売が開始されたフェイスリフトを受けたセアト・イビーサだ。その変化は非常に少なく、グリルとヘッドライトのスタイル、そして装備の見直しなどに留まる。最もベーシックなイビーサは、59bhpの3気筒エンジンを搭載するSCで、プラスティッキーなステアリングとギアノブ、ドアハンドルなどを備えるEトリムが与えられ、10,000ポンドを5ポンド切る9,995ポンド(130万円)という価格が付けられている。

その対極に位置するのが、148bhpの1.4リッターTSI FRエンジンを搭載したSTエステートで、17,085ポンド(222万円)というプライス・タグが付いている。

それら両極端なモデルの中間に位置するのが17.8kg-mのトルクと120g/kmのCO2排出量を持つフォルクスワーゲン・グループの1.2リッターTSIエンジンを搭載するモデルである。このモデルは、英国セアトが利ざやを稼ぐためのモデルのようにも見える。このターボチャージド・エンジン・モデルは、中間のSEトリムが標準となるが、プレミアムのFRトリムを選択すれば7速DSGギアボックが装備されることとなる。しかし、1.2TSIは3ドアでさえ13,000ポンド(170万円)もする高価なモデルとなってしまう。

■どんな感じ?

われわれがテストのために選択したのは、84bhpの1.4リッター・ガソリン・モデルだ。セアトが最もボリューム・セールスを期待しているモデルでもある。試乗車は比較的高価なSTエステートだが、3ドアであれば12,000ポンド(156万円)を切る価格が付けられ保険もグループ9Eに入る。

1.4SEは、固くノイジーな乗り心地のスポーツ・スプリングを採用するFRとは異なり、軽く優雅なドライブが味採用する。フィードバックは不足しているが、それでもライバルよりも落ち着いたハンドリングだ。

ミッドレンジ・トルクは厚いとはいえないが十分で、メカニカルな面がリファインされたエンジンは、エントリー・レベルの1.2リッター3気筒や、他のディーゼルよりもいい感じだ。

イビーザのキャビンは他のスーパーミニと同様ルーミーで、その作りは概して良い部類に入る。そのプラスティックの材質は、ドアとダッシュは光沢があり固く、その他はソフト・タッチという、少しばかり寄せ集め的なところもある。それはカラーリングによっても改良されるところだと思うのだが。

■「買い」か?

熱心なドライバーは、フォードフィエスタマツダ2スズキスイフトを候補にあげるだろう。しかし、バランスのとれたオーバーオール・パッケージやスタイリング、適切な装備レベル、高い実用性と落ち着いたハンドリングはイビーサの美点だ。目的をしっかり考えて選ぶなら、イビーサはハンサムなオールラウンダーであることは間違いない。

(マット・ソーンダース)

セアト・イビーサST 1.4SE

価格 13,205ポンド(172万円)
最高速度 177km/h
0-100km/h加速 12.4秒
燃費 17.0km/l
Co2排出量 139g/km
乾燥重量 1130kg
エンジン 4気筒1390cc
最高出力 84bhp/5000rpm
最大トルク 13.4kg-m/3800rpm
ギアボックス 5速マニュアル

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