【ソフトトップで魅力は拡張】レクサスLC 500コンバーチブル 神秘的な選択肢
公開 : 2020.10.08 10:20 更新 : 2022.11.30 15:46
スタイリングほどシャープではない操縦性
シャシーはバランスに優れ、LC 500は気持ちよく向きを変えていく。車重はクーペの100kg増しとなる2035kg。ソフトな足回りは直線で良く機能するが、コーナリング中も姿勢をちゃんと抑え込んでくれる。
しかし、ドイツや英国製のライバル・コンバーチブルほど、運転にのめり込むタイプではない。クルマをドライバーが操るというより、乗せてもらうような雰囲気だ。
ステアリング・レスポンスは鋭く感じられるものの、シャープなスタイリングから想起するほど、俊敏には動かない。ボンネットを開くと、V8エンジンが理想的な位置より少し前側に載っていることがわかる。ブレーキも、少しスポンジーなタッチだ。
LCコンバーチブルは、高速道路を気持ちよく走れる。流れの速いバイパスも快適。しかし、郊外のカーブが続く道は、ほかの人に運転してもらう方が心地良いだろう。
低速域での乗り心地は、従来ほどではないものの、大径ホイールから良くない影響を受けている。可能なら、1サイズ落としたいところ。
レクサスLCの強みは、とても人当たりの良いクルーザーだという点。インテリアは個性的だし、洗練度はクラスでも随一だと思う。
低回転域でのトルクの細さを気にしなければ、V8エンジンの豊かな響きを楽しみながら、長距離移動も難なくこなせる。オーナーになれば、満足感を長い間保てるだろう。
神秘的で惹きつけられる
ランフラット・タイヤをやめ、サスペンション周りに施された数多くの変更で、LCはグランドツアラーとしての訴求力を高めている。オープンで走行しても、風の巻き込みやバッファーは、最小限でもある。
ラゲッジスペースは149Lしかなく、このクラスとしては大きい方ではない。それでも、メルセデス・ベンツSクラス・カブリオレに並ぶ、ひと回りコンパクトな選択肢として評価されても良いと思う。
ただし動的性能は、メルセデスAMGではなく、ゆったりとしたメルセデス・ベンツの方に近い。ハイブリッド版だけでなく、活発なV8エンジンでも。
大きく口を開いたフロントグリルのレクサスLCの仕上がりには、感心させられる。コンバーチブル化によって、ドライビング体験には、別の魅力的な側面が追加された。
神秘的なクルマだ。本当の実力以上に、惹きつける力を備えている。
レクサスLC 500コンバーチブル(英国仕様)のスペック
価格:9万6625ポンド(1294万円)
全長:4770mm
全幅:1920mm
全高:1350mm
最高速度:270km/h
0-100km/h加速:5.0秒
燃費:8.5km/L
CO2排出量:275g/km
乾燥重量:2040kg
パワートレイン:V型8気筒4969cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:463ps/7100rpm
最大トルク:53.9kg-m/4800rpm
ギアボックス:10速オートマティック